Music

今月の選曲家 桑原あいAugust 24, 2018

August.24 – August.30, 2018

Saturday Morning

Title.
And The Beat Goes On
Artist.
The Whispers
最近は少し秋めいた日もあったりと、もう夏も終わりに近づいている土曜日の朝の1曲は、往年のR&Bボーカル・グループによる、とにかくかっこいいベースラインが耳に残るこの曲。1960〜70年代クラシック・ソウル全盛〜ニュー・ソウルと呼ばれるこの時代のサウンドはドラムの音作りやストリングス使いなど、個性を引き立たせている要素は様々あると思いますが、この曲は加えてテンポ感と重たくもどこか軽快なグルーヴ感が特徴的、それがとても心地良くて好きです。徐々に終わりゆく夏のビートをGoes onさせて、素敵な秋を迎えましょう。
アルバム『The Whispers』収録。

Sunday Night

Title.
I Can’t Stop Loving You
Artist.
Ray Charles
夏も週末も終わっちゃう8月の下旬の日曜の夜は、スローテンポなポップ・バラードをソウルフルな歌声で。1950年代初頭からヒット曲を連発。“ソウル・ミュージックの先駆者”ブラザー・レイことレイ・チャールズの名カバー楽曲はいかがでしょうか。最初から最後まで曲を通して、コーラスとレイのボーカルのかけ合いが続いてゆくこの曲は、切ないラヴ・ソングでありながら、どこかゴスペルのような祈りの歌にも聴こえてきます。このブルース・サウンドは本当にレイ・チャールズにしか表現できないもので、人生そのものが聴こえてくるようです。自分も音楽家として本当にすごいことだと思います。
アルバム『I Can’t Stop Loving You And Other Modern Country Classics』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ピアニスト/作曲家/編曲家 桑原 あい

1991年生まれ。洗足学園高等学校音楽科ジャズピアノ専攻を卒業。これまでに5枚のアルバムをリリースし、JAZZ JAPAN AWARD2013アルバム・オブ・ザ・イヤー、第26回ミュージック・ペンクラブ音楽賞、JAPAN TIMES上半期ベストアルバムなど受賞多数。モントルージャズフェスティバルや東京JAZZ(東京国際フォーラム・ホールA)、アメリカ西海岸ツアーなど国内外を問わずライブ活動を行う。2017年にはSteve Gadd, Will Leeをメンバーに迎えたアルバムをリリースし、同トリオで国内ツアーを行う。11月にはテレビ朝日系報道番組「サタデーステーション」「サンデーステーション」のオープニングテーマを含むアルバム桑原あい×石若駿「Dear Family」をリリース。その他「機動戦士ガンダムサンダーボルト」、任天堂ゲーム用ソフト「スプラトゥーン2」に参加、また2018年4月よりJ-Wave「STEP ONE」のオープニングテーマを担当するなど活動は多岐にわたる。2018年8月22日にユニバーサル ミュージック移籍後初となるオリジナルアルバム『To The End Of This World』をリリース。

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