Music

今月の選曲家 桑原あいAugust 10, 2018

August.10 – August.16, 2018

Saturday Morning

Title.
Pamela
Artist.
TOTO
待ちに待った週末の朝。圧倒的なベースとドラムのコンビネーション、無駄な音が一切なくシンプルで、ガツンと腰にくるグルーヴが「きっとこの週末はいいことがあるぞ」とポジティヴな気持ちにさせてくれるこの曲を。と思いきや、おや? サビまで聴き進めると哀愁駄々漏れの美しくも切ないハーモニー感が「いいことばかりでないのかも……」とちょっと胸がキュとなったりも。とにもかくにもTOTOの最強ポーカロ兄弟と始める土曜日、いいこともそうでないことも自分らしく受け入れて前向きに過ごして行きましょう! 余談ですが、TOTOが来日した際に〈TOTO〉のトイレを欲しがったとか(笑)。
アルバム『The Seventh One』収録。

Sunday Night

Title.
On A Misty Night (Live)
Artist.
Dr. Lonnie Smith
「オルガンが生きている」。オルガンという楽器を聴いて、初めてそう思わせてくれたのが、1942年ニューヨーク生まれ、’60年代から第一線で活躍するジャズ・オルガンの名プレイヤー、ドクター・ロニー・スミスでした。中でもこの曲はとてもロマンチックで数あるカバーテイクの中でも、特にロニーの演奏は絶品です。先月ブルーノート東京に来日した際の演奏もそれはそれは、全く衰え知らずの素晴らしいものでした。日曜日の夜。この週末がどんな週末であっても、全てを包み込んでくれるようなハモンドオルガンの音色を聴いて月曜日を迎える準備をしてみてはいかがでしょう。
アルバム『All In My Mind (Live)』収録。
&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ピアニスト/作曲家/編曲家 桑原 あい

1991年生まれ。洗足学園高等学校音楽科ジャズピアノ専攻を卒業。これまでに5枚のアルバムをリリースし、JAZZ JAPAN AWARD2013アルバム・オブ・ザ・イヤー、第26回ミュージック・ペンクラブ音楽賞、JAPAN TIMES上半期ベストアルバムなど受賞多数。モントルージャズフェスティバルや東京JAZZ(東京国際フォーラム・ホールA)、アメリカ西海岸ツアーなど国内外を問わずライブ活動を行う。2017年にはSteve Gadd, Will Leeをメンバーに迎えたアルバムをリリースし、同トリオで国内ツアーを行う。11月にはテレビ朝日系報道番組「サタデーステーション」「サンデーステーション」のオープニングテーマを含むアルバム桑原あい×石若駿「Dear Family」をリリース。その他「機動戦士ガンダムサンダーボルト」、任天堂ゲーム用ソフト「スプラトゥーン2」に参加、また2018年4月よりJ-Wave「STEP ONE」のオープニングテーマを担当するなど活動は多岐にわたる。2018年8月22日にユニバーサル ミュージック移籍後初となるオリジナルアルバム『To The End Of This World』をリリース。

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