料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
04.佇まいが美しい片手鍋。料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。May 17, 2022
2022年5月11日発売の特別編集MOOK「&Kitchen/台所の工夫と、道具選び」。台所と道具にまつわるコンテンツをまとめた1冊から、一生付き合える調理道具について、料理家・冷水希三子さんに検証して選んでもらいました。
お味噌汁が一番おいしそうに見えるのは?
味噌汁用の片手鍋は、じつはどんな素材・形状でも仕上がりに大きく影響はしないんです。でもホウロウのミルクパンなどで作ると、どうにもおいしそうに見えないのが料理というもの。お味噌汁や煮物など、出汁を使って作る料理にはやっぱり和風の行平鍋が似合うのです。行平鍋は安価なものもありますが、毎日目にするものだから、使うたびに心躍るものがいい。同じアルミ製でも職人がひと目ひと目叩いて槌目を出した打ち出し鍋は、シンプルなお味噌汁が入っていても、その凛とした佇まいにうっとりします。サイズは味噌汁2〜3人分なら直径15㎝ほど。ちょっとした煮物やひとり分のうどんやラーメンを作るにも便利です。
検証 丈夫で、長く使えるものを。
毎日使う調理道具は消耗も激しい。愛着を持って長く使いたいなら、職人の手仕事によるつくりのいいものを。柄のがたつきなどの不具合も修理してくれるものがいいですね。
一枚の地金を金槌で叩いて締めることによって美しいフォルムを作る鍛金の技法で作られたアルミ製片手鍋。液だれしない片口はさすが職人技。修理も可能。行平鍋 15㎝ ¥7,040(鍛金工房 WESTSIDE33 ☎075−561−5294)
料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
RELIABLE KITCHEN TOOLS
毎日使っている調理道具。デザインに惹かれて買ったものや、親から譲り受けたもの、さまざまな経緯で手元にあると思います。でも、ふとした瞬間に「ちょっと使いづらいな」と思うことはありませんか。それは気のせいではなく、きちんと理由があるんです。その”理由”にじっくり向き合い、”考えて”みる。料理家の冷水希三子さんと、一生付き合える道具を検証、選んでみました。
photo : Kazumasa Harada styling : Kimiko Hiyamizu edit & text : Yuriko Kobayashi