料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
03.盛り付け専用の菜箸。料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。May 16, 2022
2022年5月11日発売の特別編集MOOK「&Kitchen/台所の工夫と、道具選び」。台所と道具にまつわるコンテンツをまとめた1冊から、一生付き合える調理道具について、料理家・冷水希三子さんに検証して選んでもらいました。
”目的に合わせて使い分ける”発想。
菜箸は手の延長にある道具。盛り付けの仕上げやお弁当を詰める際には細かい作業も多く、使い勝手が悪いとせっかくの料理も台無しです。一般的な菜箸は火を使う場合を想定してかなり長めに作られていますが、それだと繊細な作業をするにはバランスが悪く、小回りも利きません。調理を考えると箸先も太く丈夫なものが安心ですが、それではお弁当の隙間に入らなかったり、細かい作業には不向きです。解決のためのアイデアは調理用と盛り付け用の菜箸を分けること。それぞれ目的が違うのですから一本で済まそうと思うほうがナンセンスです。繊細な作業をする際には、先端が細く、適度な長さの「盛り付け箸」がおすすめです。
検証1 盛り付けしやすい形と長さ。
盛り付けするには箸先が細く、食卓用のお箸と同じか、少し長いくらいのサイズが快適。私は少し長めと普通の長さ、2種類の盛り付け箸をシーンによって使い分けています。
検証2 狙い定めて掴めますか?
盛り付け箸の大切な要素は、細かい動作を的確にできること。握りやすさに加え、箸先が細く、掴みたいものをストレスなく持ち上げられるか。そこを基準にしてください。
検証3 かゆいところに手が届く工夫。
愛用の盛り付け箸は、柄の先がヘラのように削ってあって、からしなど瓶入りの調味料をすくえる粋な仕掛けが。普通のお箸にはない、盛り付け箸ならではの工夫です。
江戸時代から京都の料理店で使われていた盛り付け用の箸を現代風にアレンジ。滑りにくく耐久性にも優れた竹製。京風もりつけ箸 約23㎝(小)¥1,320、約28㎝(中)¥1,430(御箸司 市原平兵衞商店 ☎075−341−3831)
料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
RELIABLE KITCHEN TOOLS
毎日使っている調理道具。デザインに惹かれて買ったものや、親から譲り受けたもの、さまざまな経緯で手元にあると思います。でも、ふとした瞬間に「ちょっと使いづらいな」と思うことはありませんか。それは気のせいではなく、きちんと理由があるんです。その”理由”にじっくり向き合い、”考えて”みる。料理家の冷水希三子さんと、一生付き合える道具を検証、選んでみました。
photo : Kazumasa Harada styling : Kimiko Hiyamizu edit & text : Yuriko Kobayashi