料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
02.ちょうどいいフライパン。料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。May 15, 2022
2022年5月11日発売の特別編集MOOK「&Kitchen/台所の工夫と、道具選び」。台所と道具にまつわるコンテンツをまとめた1冊から、一生付き合える調理道具について、料理家・冷水希三子さんに検証して選んでもらいました。
”ちょうどいい”は自分にしかわからないから。
フライパン選びの鉄則は、日々の調理シーンを想像すること。「焼く」なら、鶏肉や豚肉が最低2枚は一度に焼けるサイズが便利。「炒める」なら野菜炒めやパスタが2〜3人分。「茹でる」場合はアスパラなど長めの野菜を切らずに入れられる直径が欲しい。そう考えると私の場合は24㎝がベスト。素材はどうでしょう? 鉄はじっくり火が通って素材のおいしさを引き出せますが、重くて手入れが大変。軽いアルミ製は熱伝導がよすぎて焦げつきが心配です。ならば両者のいいとこ取りをして、アルミ製で軽く、焦げつかず、じっくり火が通るものを探せばいい。必要な条件を明確にすると、自分の”ちょうどいい”がわかってきます。
検証1 グリルの目安は肉で。
鶏モモ肉や豚ロースを2枚無理なくグリルするには直径24㎝は必要。あいたスペースで付け合わせの野菜も一緒に焼けるサイズ感です。フッ素樹脂加工なら焦げつかずこんがり。
検証2 茹でるなら直径と深さも考えて。
少し深さのあるフライパンなら鍋に比べて少ない水で茹で野菜もできます。直径24㎝はアスパラを切らずに入れられるサイズで、たいていの野菜に対応できます。
検証3 無理なく振れる重さも考慮して。
野菜炒めやチャーハンなどフライパンを振って仕上げる料理には軽やかさが必要。アルミ製でも多重構造のものを選べば、均一に熱が伝わり、素材の味が引き立ちます。
軽量なアルミ製でも底を厚くすることで均一な熱伝導性と耐久性を両立。テフロン™プラチナ加工で焦げつきにくいのもいい。ガス火用プロマイスターCTフライパン24㎝ ¥9,240(北陸アルミニウム ☎0766−31−3500)
料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
RELIABLE KITCHEN TOOLS
毎日使っている調理道具。デザインに惹かれて買ったものや、親から譲り受けたもの、さまざまな経緯で手元にあると思います。でも、ふとした瞬間に「ちょっと使いづらいな」と思うことはありませんか。それは気のせいではなく、きちんと理由があるんです。その”理由”にじっくり向き合い、”考えて”みる。料理家の冷水希三子さんと、一生付き合える道具を検証、選んでみました。
photo : Kazumasa Harada styling : Kimiko Hiyamizu edit & text : Yuriko Kobayashi