料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
01.小回りの利く包丁。料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。May 14, 2022
2022年5月11日発売の特別編集MOOK「&Kitchen/台所の工夫と、道具選び」。台所と道具にまつわるコンテンツをまとめた1冊から、一生付き合える調理道具について、料理家・冷水希三子さんに検証して選んでもらいました。
包丁と”意思疎通”できていますか?
包丁選びの基準は「切れ味」と思いがちですが、いくらよく切れても、サイズが大きすぎると手にフィットせず、自分がしたい動作を正確に包丁に伝えることができません。大切なのは握ったときに手に馴染み、思った通りに動かせることです。三徳包丁はどんな食材でも切りやすく、デイリーな調理に困らない万能包丁といわれますが、それはあくまでも一般論。実際、手が小さめの私にとって三徳包丁は少し大きくて、食材を切るにも、洗浄するにも持て余してしまいます。私にとってちょうどいいのは、三徳包丁とペティナイフの中間くらい、刃渡りが15㎝ほどのもの。小ぶりでも、プロ用のモデルを選べば切れ味抜群です。
検証1 細かい作業ができる。
トマトのへた取りや野菜の皮むきなど、細かい作業をするときは手の動きが的確に伝わり、キビキビ動かせることが大切。適度な刃渡りだと怖さもありません。
検証2 毎日清潔さを保てる。
刃とハンドルが異なる素材で接続されている場合は、その部分に雑菌が繁殖しがち。オールステンレスで継ぎ目がないものなら洗いやすく、衛生面でも安心。
検証3 自分でメンテナンスできる。
どんな包丁でも使っているうちに切れ味は悪くなります。専用のシャープナーがあったり、研ぎ直しのサービスがあるものを選べば、長く愛用できるはずです。
日本の食文化に合わせて作られた国内限定モデル。スリムな刀身とクセがない柄の組み合わせで、女性の手に馴染みやすい。専用シャープナーもあり。IST−02 小型15㎝ ¥8,800(吉田金属工業 ☎03−6277−8230)
料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
RELIABLE KITCHEN TOOLS
毎日使っている調理道具。デザインに惹かれて買ったものや、親から譲り受けたもの、さまざまな経緯で手元にあると思います。でも、ふとした瞬間に「ちょっと使いづらいな」と思うことはありませんか。それは気のせいではなく、きちんと理由があるんです。その”理由”にじっくり向き合い、”考えて”みる。料理家の冷水希三子さんと、一生付き合える道具を検証、選んでみました。
photo : Kazumasa Harada styling : Kimiko Hiyamizu edit & text : Yuriko Kobayashi