「しまわない家」と「しまいたい家」、それぞれの整理整頓術。

ものをしまわずに整えるために①「壁を使う」「しまわない家」と「しまいたい家」、それぞれの整理整頓術。February 25, 2022

整えたいのに収納が無い家と、整えるためにあらゆる収納を作った家、それぞれに収納術を学ぶこのシリーズ。今回は「しまわない家」の”壁の使い方”を紹介。この家に暮らすアートディレクターの稲数麻子さんと、会社員の髙橋智也さんは、コンクリート打ちっぱなしの壁の製造工程でできる穴=Pコンをフルに駆使。通常は塞いでしまうこの穴の中にはセパレーターという棒ネジ状のものがあり、そこにナットやボルトを利用して壁収納を工夫することに。

 

Tips 01 Pコンを活用。

コンクリート打ちっぱなしの壁の至る所にある「Pコン」。この穴にナットを使ってネジを差し込めば、壁のフックが完成する。これがこの家の”メイン収納”だ。ネジとネジの間に板を渡した、陳列棚も複数設えて。

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階段の壁面では、突出部分を減らすため、長ネジではなくマグネットフックを使用。

Tips 02 垂らして、しまう。

ネックレスやストラップ付きバッグなどは、クローゼットや引き出しに収めようとすると、しわが寄ったり絡まったりしてしまいがち。でも壁に掛けてしまえば、そんな心配をする必要もなく、”しまう”が完了する。

ボリューム感のあるネックレスや縦長の鏡、ドライになった花や枝も上の方に引っ掛けて。
ボリューム感のあるネックレスや縦長の鏡、ドライになった花や枝も上の方に引っ掛けて。

Tips 03 お手本は古着店のオープンクローゼット。

季節外の衣類はトランクルームに預け、今着るものは古着店のように見せる収納に。なるべくは〈IKEA〉のラックに、そこに掛からない残りはハンガーを使い、壁に取り付けたフックに正面向きで、重ね掛けしている。

「きれいな状態をキープするのは大変ですが、お気に入りが並ぶ様に幸せな気持ちになるんです」
「きれいな状態をキープするのは大変ですが、お気に入りが並ぶ様に幸せな気持ちになるんです」

Tips 04 掛け方も場所も自由でいい。

モノの置き場所を決めすぎてしまうと、買ってきたばかりの食材や、新たに仲間入りした雑貨などを当座置くのにも困ってしまいかねない。「空いているところにポンと掛けておくのもよし」とすれば、心の余裕も趣も増す。

この日はフライパン&バナナが、キッチンとは離れたリビングの入り口辺りに。
この日はフライパン&バナナが、キッチンとは離れたリビングの入り口辺りに。

To Display しまわない家

アートディレクターの稲数麻子さんと会社員の髙橋智也さんが暮らすのは備え付けの収納がない家。壁面を活用しながら、飾ることを楽しんでいる。
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アートディレクターの稲数麻子さんと会社員の髙橋智也さんが暮らすのは備え付けの収納がない家。壁面を活用しながら、飾ることを楽しんでいる。
 
収納”ゼロ”、出しておくという整え方。

コンクリート打ちっぱなしの壁に囲まれたモダンなこの家には、キッチン台の下以外に収納がない。「棚を自作、あとは出しておき、四方の壁も“収納場所”にする」という稲数麻子(いなかずあさこ)さんと髙橋智也(たかはしともや)さんの整理整頓術を習う。

 

稲数麻子 アートディレクター
髙橋智也 会社員

〈KOTO art&creative works〉を主宰、店舗ディスプレイや空間デザインを手がける稲数さんとフードテック企業に勤務する髙橋さん、愛犬Wooの2人と1匹暮らし。二人ともDIYが得意。

41.72㎡、間仕切りのないメゾネットタイプの賃貸。1階の7.5畳を寝室、2階12畳をLDKに。
41.72㎡、間仕切りのないメゾネットタイプの賃貸。1階の7.5畳を寝室、2階12畳をLDKに。

photo : Yuya Shimahara illustration : Shinji Abe (karera) edit & text : Koba.A

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