&EYES あの人が見つけたモノ、コト、ヒト。
市民プールに通う。ぼくの台中日記。イラストと文:コーカジュンイチ(イラストレーター)#1November 04, 2026

はじめまして。イラストレーターの江夏潤一です。『&Premium』では本誌連載「&Kyoto」のイラストを担当しています。今回、コラムの話をいただいたので、毎年展示のために滞在している台湾での出来事を紹介します。
ここ10年近く、毎年5、6月になると、台湾の真ん中にある街・台中の『緑光ギャラリー』で展示をさせてもらっています。展示期間中は台中に滞在し、絵の制作や似顔絵のワークショップなどをしています。
今年から身体の疲れをとるために台中の市民プールに通っているのですが、ぼくの目的は泳ぐことではなく、そこにある温水プール。温泉地の豊かな鹿児島県で育ったぼくにとっては、もはや"温泉”と言っても過言ではない、命の水なのです。
市民プールに着いたら、少し無愛想なおばちゃんに250元を払って入場。屋外プールで申し訳程度にウォーキングをして、台中の夕空を見ながら背泳ぎをしたあと、待ちに待った温水プールに浸かります。だいたい常連のおばさまやおじさまの先客がいるので、ぼくは「失礼します」と少し頭を下げて入ります。どんな国でも、先輩方には礼儀を尽くしたいものです。湯に浸かりながら、屋外プールで泳いでいる人たちをゆっくり眺めていると、ああ、ここは本当にいい場所だなと毎回思ってしまいます。
隣には温水プールの5倍くらいの広さのジェットバスのプールがあります。しかし、どれも泡の勢いが強すぎて身体が痛くなってしまい、ぼくはすぐに退場。それなのに、おじいちゃんやおばあちゃんたちは泡の勢いで少し浮きながら、実に気持ち良さそうにしています。どうやらぼくにはまだ早い場所のようです。
休憩コーナーではポットにお湯が用意されていて、みんな家から持って来た茶葉でお茶を楽しんでいます。本当に優雅な場所。
いつかぼくも茶葉デビューをしたいけれど、まだちょっと早いかな……。

イラストレーター、アーティスト コーカジュンイチ






























