BOOK 本と言葉。

本屋が届けるベターライフブックス。『おいしいが聞こえる』ひらいめぐみ 著 (リトルプレス) 選・文 / らくだ舎 / November 24, 2022

This Month Theme台所で過ごす時間を大切にしたくなる本。

おいしいが聞こえる

わたしたちは、食べたものでできている。それは生物としてだけでなく、作ってから食べるまでの気持ちや一緒に食べた人、交わした会話、見た風景、日常の記憶の集積という意味合いもある。もちろん、いい記憶ばかりではない。これから先、食べものが喉を通らない、なんて日もあるはずだ。それでも日々をなんとか「大丈夫」にしていくために、わたしたちを後追いで救ってくれるのもまた、食べものだ。本書にはこんな一文がある。「日々当たり前のことを着実とこなしていくことしかできなくても、当たり前のことを着実にこなしてできたクッキーはこんなにもおいしいじゃないか、と。大丈夫になるのだ」だからきっと、明日も大丈夫。平井さんの本を読んだら、きっとそう思えるし、料理がしたくなる。


BOOKSHOP らくだ舎

和歌山県熊野地方・旧色川村に移住し週3日地域に開かれた喫茶室を運営。小さな書店と図書室も併設しており、折に触れて読み返したいと思える書籍を中心に新刊古書問わず書籍の取り扱いをしている。ゆっくりと心に届いてくる、確かな手触りのあるメッセージを発信している。 住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町口色川742-2 色川よろず屋内 営業時間:木金土10:00-17:30 定休日:日月火

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