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選・文 / BOOKS青いカバ / November 12, 2020 本屋が届けるベターライフブックス。『聖伝』シュテファン ツヴァイク 著 宇和川 雄 、籠 碧 訳(幻戯書房)

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平和を徹底的に願いながらも、第二次世界大戦へと突き進む世界への、深い絶望の中で自ら命を絶った作家が遺した物語。人びとはなぜ平和になれないのか。この作品集は、聖書や聖典を題材に、私たちが現代を生きるその姿勢を、問いただしてくるようだ。自分の意志とは関係なく、運命にからめとられながらも、必死に世の中の「正しさ」を見極めようとする主人公たちの姿には、何度読んでも新しい感動がある。ウェス・アンダーソンが『グランド・ブダペスト・ホテル』のなかでツヴァイクに献辞を捧げたように、その作品は常に現代の良心を動かし続ける。


選・文 / BOOKS青いカバ / November 05, 2020 本屋が届けるベターライフブックス。『プレヴェール詩集』ジャック・プレヴェール 著 小笠原 豊樹 訳(岩波文庫)

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プレヴェールは、いつもとなりにいる気がする。何か理不尽な目にあった時には、一緒になって怒ってくれるし、どうしようもない心の中のモヤモヤを掬って、代わりに言葉にしてくれる。喜びも別れも、プレヴェールが生きていた時、パリのカフェや街中で、たくさんの人たちに囲まれていた、そのまんまの調子で、さらさらっと詩にしてくれる。彼の最初の詩集のタイトルは「パロール」、「話し言葉」という意味だ。プレヴェールはまとめる気すら無かった詩を、人々が惜しみ、一冊の詩集にした。誕生からしてすでに、愛された詩人だった。


選・文 / BOOKS青いカバ / October 29, 2020 本屋が届けるベターライフブックス。『あなはほるもの おっこちるとこ』ルース・クラウス 文 モーリス・センダック 絵 わたなべ しげお 訳(岩波書店)

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大人になると、どうしても頭が固くなっていることを、時々実感する。繰返しの毎日を生きる上で、固くなった頭の方がやりやすいこともたくさんあるのだけれど、そんな自分がちょっと寂しくなることもある。そんな時はこの本を引っ張り出してきて読むことにしている。子どもたちが繰り出す物事の説明に、微笑んだり感心したりしながら、ズバッと確信をつくような自由な発想に頭が洗われる気がする。センダックの描く可愛らしいだけではない子どもの姿に、ちょっとだけ子ども時代が懐かしくなる。


選・文 / BOOKS青いカバ / October 22, 2020 本屋が届けるベターライフブックス。『寺山修司未発表歌集 月蝕書簡』寺山修司 著 田中未知 編(岩波書店)

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文学者の忌日が俳句の季語となるように、季節と結びつけられた作家や作品は数多い。その中でも、毎年五月になると、繰り返し寺山修司の歌集を開いてしまう。歌人として『われに五月を』でデビューし、演劇や小説やエッセイ、映画とマルチな才能を開花させ「職業は寺山修司」と言ってのけた彼は、死の直前に短歌に帰ってきた。没後編まれたこの歌集には、試行錯誤しながら、まさに生まれ直そうとしている寺山の新しい姿が写しだされている。
デビュー作で「二十歳 僕は五月に誕生した」と歌った寺山は、その同じ五月、四十七歳で亡くなった。


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山手線駒込駅から徒歩7分、東洋文庫の隣に実店舗がある古書&新刊の本屋。「ずっと GOOD BOOKS」をテーマに、10年後も本棚に入れておきたい、本をセレクトしている。
住所:東京都文京区本駒込2-28-24 谷口ビル1階
電話:03-6883-4507
営業時間:11:00~19:00(当面の間)
定休日:火曜、木曜
https://www.bluekababooks.shop/