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選・文 / nowaki / December 12, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん』高野文子 作・絵(福音館書店)

しきぶとんさん

寒い季節は、お布団が恋しくなりますが、寝入りばなの布団の冷たさに、気持ちも体も縮こまります。この絵本の主人公は「しきぶとんさん かけぶとんさん まくらさん あさまでよろしくおねがいします」と呪文のように唱えます。そうしてさまざまな願い事に「まかせろまかせろ」と答えるものたちの頼もしいこと。物にも人格が宿ると考えるアニミズムは、身の回りの存在への畏怖や感謝の念から生じていると思います。漫画家、高野文子さんの柔らかな線と色に包まれて、言葉もリズミカルに心地よい、寝る前のおやすみ絵本にオススメです。


選・文 / nowaki / December 05, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『いじわるちゃん』たんじあきこ 作・絵(岩崎書店)

いじわるちゃん

みんなの困った顔を見るのが大好きな女の子「いじわるちゃん」。得意のいじわるで大忙しのところ、子供たちを怖がらせようとするお化けにスカウトされますが、お化けも逃げ出すいじわるぶりに、ついに一人ぼっちに。誰しもが心のなかに持つ「いじわる」な気持ちは、周りの人を遠ざけ、自分自身を苦しめます。そんな時に出会う優しさに、いじわるちゃんの胸に灯った気持ちは、言葉にせずとも画面から伝わります。教室で1人目立ってしまう風変わりな子供たちにスポットを当てた、岩崎書店の「こんな子きらいかな?」シリーズの1冊。


選・文 / nowaki / November 28, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『ちいさないきものと日々のこと』もりのこと+渡辺尚子 編集 (もりのこと)

ちいさないきものと日々のこと

西荻窪にあるギャラリー『もりのこと』特別企画展を記念して編まれた1冊。序文にある「いきものとの暮らしは、さもない毎日が楽しいし、いなくなってからもまた、思い出すことがたくさんあって、良いものだと思う」という一文が表すように、いきものと暮らしたことのある15人が、それぞれ出会いや別れ、かけがえのない日々の記憶を綴った随筆集。絵描き、編集者、陶芸家など、普段多くを語らない人の言葉は、まっすぐに正直に届いてきて、胸を打たれます。そこにいるだけで嬉しいという存在があること、いきものへの愛情あふれる気持ちを感じる本。


選・文 / nowaki / November 21, 2019 本屋が届けるベターライフブックス。『エリック』ショーン・タン 著 岸本佐知子 翻訳(河出書房新社)

ある日やってきた交換留学生のエリック。ホームステイ先の自宅で出迎えたぼくは、彼の言動に戸惑いつつも日々を過ごす。やがて突然に「ごきげんよう」と出て行った彼に、残された人々はあっけにとられるが、彼の残したものを見つけて……。わかり合えないかもしれない、と気持ちが揺らぐような出来事も「きっとお国柄ね。いいじゃないの、本人がそれでいいんなら。」と受けとめる母親の優しさに、胸が温かくなります。思い出とは、エリックが残していったもののように、そっと輝くものだと思います。出会いと別れ、どんな人にも訪れる瞬間と気持ちの動きを描いた絵本。


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本と器の店。月に1~2度、絵本作家や陶芸家など手仕事の作家の企画展を開催。
京都市左京区川端通仁王門下ル新丸太町49-1
電話:075-285-1595
営業時間:11-19時
不定休
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