台湾スイーツ食べ比べ
ぷるん派ともちっと派。食感の違いを楽しむ。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】June 17, 2024
昔ながらの味を今に伝える「杏仁露」の名店。
顏浩祺さんと陳彩霞さんの夫妻が経営する店。30年ほど前に屋台から店舗に変わったが、店先には今でもお碗を積み重ねた台車があり、注文はこちらで行う。話を聞くと、杏仁露づくりは相当な作業量を要することがわかる。まずは水を1時間沸騰させた後、杏仁粉と寒天の塊を2時間ほど煮込み、その後は10時間以上置き、固まったら冷蔵庫で冷やすという流れ。素材を配合する比率と火加減が決め手となる。ここでは長年の経験によってぷるんとした食感を作り上げている。蔗糖で作った自家製シロップと氷を加えているが、緑豆や小豆、練乳をトッピングすることも可能。「いつまで続けられるかわかりませんよ」と笑う店主だが、懐かしい味を求めて訪れる常連が後を絶たない。
イエンチーシンレンルー
台北市大同區迪化街一段21號 ☎0916−838−987 9:30~17:00 月休 杏仁露は50元。小豆入りまたは緑豆入りは60元。
真綿のような極上の柔らかさと舌触り。
かき氷やお汁粉など、様々なスイーツを扱う店だが、なかでも高い人気を誇るのが杏仁豆腐。ここでは原料の杏仁(きょうにん)をすり潰すところから始め、タピオカの原料である樹薯粉(キャッサバの粉)を加え、約40分間、間断なくかき混ぜ続けている。こうして出来上がった杏仁豆腐は想像以上に弾力性があり、レンゲで掬い上げるだけでもプルプル食感なのがわかる。一口食べてみれば、もちっとしながらも溶けていくような食感に虜になるはず。しかも濃厚な杏仁スープに入っているのも嬉しい。そのままでも十分なおいしさだが、ホクホクとした食感の小豆か、煮込んだピーナッツをトッピングするのもおすすめ。サイズが大きめの杏仁豆腐なので、口いっぱいに頬張る幸せを噛みしめたい。
シンフーピングワン
台北市中山區雙城街10巷35號 ☎02−2586−8663 12:00~21:00 日休 杏仁豆腐75元、小豆+10元、ピーナッツ+10元。
文/片倉真理
※この記事は、No. 127 2024年7月号「&Taipei」に掲載されたものです。