長田佳子の季節のハーブを愉しむお菓子。
vol.3 セージとミントのショートブレッドHerbal Sweets / June 20, 2020
自然からのいただきものであるハーブの力を取り入れて、心と体に優しく寄り添う「レメディ」のようなお菓子を作る〈foodremedies〉として活動する菓子研究家の長田佳子さん。砂糖にはない甘さやほのかに感じる苦味、鼻をくすぐるいい香り——。ハーブはそのときの心と体の状態によって、五感で感じ取るものが繊細に変化する奥深さを秘めた暮らしに役立つ植物です。そんな季節のハーブを使った長田さんオリジナルのお菓子のレシピを紹介するこの連載。第3回は「セージとミントのショートブレッド」をお届けします。
This Month's Herbal Sweets
「セージとミントのショートブレッド」

ちょっとした朝ごはんやおつまみになる、ショートブレッド。
蒸し暑さを感じながら目覚める朝。食欲はあっても、時にご飯やパンは喉を通らない日もあるものです。そんな日は“朝ごはん”として「セージとミントのショートブレッド」をいただいてみましょう。
バターと砂糖、小麦粉を練り上げて作るスコットランド地方の伝統菓子として長年愛されてきたこのお菓子。 “short”という言葉が「砕けやすい」という意味を表すように、サクサクとした軽やかな食べ心地が特徴です。
本場のものはバターの風味が濃厚なものが多いですが、もう少し軽やかにいただけるよう、バターの量や砂糖の甘さは控えめに。それによって、小麦粉の味と塩味、爽やかな清涼感のあるミントやパリパリとした食感が楽しいセージの風味がふくよかに広がります。
ドリンクは味わいに広がりを持たせてくれるミルクがおすすめです。夜なら、ビールと一緒にいただいてみても。ほのかに塩味が効いているので、ちょっとした“つまみ感覚”でいただく楽しさも秘めているお菓子です。ちなみに焼き上がりから1日程度時間を置くと、味が馴染んでさらに個性が強まります。そんな味の変化を堪能したら、さらに焼き菓子の奥深さを発見できるかもしれません。

レシピ 2人分
・無塩バター70g
・塩ひとつまみ
・ブラウンシュガー(カソナード)20g
・薄力粉80g
・全粒粉30g
・卵黄1/2個
・ペパーミント2枝分 ※葉のみをちぎっておく
・セージ適量
How to cook

photo: Hiroko Matsubara edit & text : Seika Yajima
ハーブ:まるふく農園 キッチンクロス提供:FLUFFY AND TENDERLY 器:中本純也

<プロフィール>
菓子監修 長田佳子〈foodremedies〉
菓子研究家。レストラン、パティスリーなどでの修業を経て、YAECAフード部門「PLAIN BAKERY」でメニュー開発、お菓子の製造を担う。2015年に独立。〈foodremedies〉という屋号でハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究している。著書に『foodremediesのお菓子』(地球丸)、『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)などがある。




































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