大徳寺 瑞峯院 なみのこり – 〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景 vol.02 | 〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景 | & Premium (アンド プレミアム)

〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景

〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景 vol.02 / December 20, 2021 大徳寺 瑞峯院 なみのこり

〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、自社仏閣の風景
〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、自社仏閣の風景
 
 
京都で和菓子の制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子で表現。京都の風景に思いを馳せたくなる、美しい一皿を紹介します。
 
 
大徳寺 瑞峯院 なみのこり
 

大徳寺 瑞峯院
なみのこり

 

 京都の北区紫野にある大徳寺の塔頭「瑞峯院(ずいほういん)」には重森三玲が作庭した「独坐庭(どくざてい)」がある。奥に聳(そび)えるのは蓬莱山。そこから力強い波のように曲線を描く枯山水は、見事に荒波を表現している。
「独坐大雄峰」。今、ここに座っていることが素晴らしい、という禅語から名付けられたこの場所。動きある荒波とその中に静かに座る自分の心、静と動の交差を感じられる美しい庭である。
 1月の京都、特にこの北区あたりでは雪が積もることも珍しくない。「独坐庭」に降る雪は荒波を消すことなく律儀に積もっていく。動きのあるこの荒波だからこそ、ここまで波の形が残るのかもしれない。しかし、雪は波の力強さを和らげ、その様はどこかおいしそうにも見える。
 この雪の波を皿の上に表現するのは、「淡雪」という和菓子の製法。木の香りとともに儚く消える雪の食感を再現した。そして、土台は冬の果実、柚子の水羊羹。「名残」の語源、波が打ち寄せた後に残るものという意味の「なみのこり」。口に入れるとふわっと消える雪の波の余韻を味わっていただきたい。

 

大徳寺塔頭のひとつ。重森三玲による庭園「閑眠庭(かんみんてい)」も。▷『瑞峯院』京都市北区紫野大徳寺山内 ☎075‒491‒1454 拝観9時〜17時 拝観料400円

INFORMATION

「なみのこり」販売について


今回ご紹介したお菓子「なみのこり」を、12月21日(火)15時より〈御菓子丸〉公式オンラインショップで期間限定で販売します。ぜひ実際にお菓子を味わいながら、京都のいまに思いを馳せてみてください。詳しくは下のボタンから。

*販売日時は変更になる場合がございます。

詳しくはこちら

photo : Yoshiko Watanabe
*『アンドプレミアム』2022年2月号より。


和菓子作家 杉山早陽子

1983年三重県生まれ。老舗和菓子店での修業を経て、2006年から和菓子ユニット〈日菓〉として活躍。2014年から〈御菓子丸〉を主宰。
Latest Issue家で使う、飾る、美しいもの。2022.05.20 — 880円