もの選びのプロが使っている、日用品のスタンダード。

季節や花の種類を問わず、暮らしを彩る3つのフラワーベース。April 22, 2024

パフューマー、ライフスタイルコーディネーターの山藤陽子さん、雑貨コーディネーターのオモムロニ。さん、インテリアスタイリストの遠藤慎也さん。3人のもの選びのプロが使っている、日用品のスタンダードを、おすすめの理由とともに聞きました。

Yamafuji_ワダコーヘーのガラス花器

ワダコーヘーのガラス花器
山藤:神奈川の工房で、吹きガラスなどの技法で創作を続ける愛知県出身のガラス作家ワダコーヘー。透明度が高く、ひと捻りあるユニークでモダンなフォルムが特徴的。生けた植物は利休草。「水を満杯に入れるとまるで水のかたまりのようになり、何も生けなくても十分美しいガラスの花器。スノードームが大好きなのですが、それに通じる感覚でずっと眺めていられます。植物を生けるときは優雅な曲線に合うツルものや、繊細な草花を選ぶことが多いですね」。[H23㎝*編集部調べ]¥9,900(うつわ屋まほろ https://www.maholo.net

Omomuroni._〈ヨーキ〉フラワーベース 13

Omomuroni._〈ヨーキ〉フラワーベース 13
オモムロニ。:環境に優しい耐熱ガラスを原料に、エジプトの吹きガラス職人によって一点一点作られるフラワーベース。すりガラス加工をしたうえに着色する技法で、独特の風合いが生み出される。ブランド名は〝容器〞〝陽気〞〝良き〞から。花は左がフリージア、右がムスカリ。「ファンシーな色使いかとも思いましたが、実際は品があってガラス自体もやわらかい感じ。片側は一輪挿し、天地を返すとトレーのようにふた通りにも使えます。花はコントラストのある色を選ぶと楽しいです」。[H16㎝]各¥16,500(ヨーキ yokipoetry@gmail.com)

Endo_〈オドー コペンハーゲン〉イシャスベース アンバー

Endo_〈オドー コペンハーゲン〉イシャスベース アンバー
遠藤:モダンに昇華させたスカンジナビアデザインを得意とするデンマークのブランド。イシャスはフランス語で細い脚を意味する。試験管から着想を得た、しずく形のガラスベースと真鍮の脚で構成。デザイナーはドイツ出身のテレサ・ランド。植物はアオモジ。「大ぶりの枝ものがよく映えるデザイン。脚付きなので、床にじか置きしてコーナーを作りやすいです。花があってもなくても、実だけつけた枝でもよく映える。何も生けていない状態でもインテリアとして成立します」。Lサイズ[H60㎝]¥96,800(アペックス ☎027‒370‒5678)

目利き3 人が考える、日用品のスタンダードの定義。

山藤陽子
自分にとっての、〝気持ちよさ〞を追求する。

色や国やジャンルに惑わされずに、自分の琴線に触れるものだけを選ぶこと。私は〝テクスチャーフェチ〞なので、目で見た印象よりも実際に触った感触を大切にします。
Yoko Yamafuji パフューマー、ライフスタイルコーディネーター。「気持ちいいこと」がテーマのブランド〈YORK.〉と、パフュームブランド〈SCENT OF YORK.〉を主宰。


オモムロニ。
作り手の遊び心や、雑貨的楽しみを感じ取る。

他の人が良いと言ったものでも必ず試して納得したものを選ぶ、自分基準。スタンダードだって進化する。アップデートされた新時代のものを見つけたときが最高に嬉しい。
Omomuroni. 雑貨コーディネーター。実用ベースのユーモアとセンスのあるもの選びが好評。著書に『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』(文藝春秋)。


遠藤慎也
使うことで生まれる、〝かっこよさ〞を楽しむ。

どんなにかっこよくても、使えないと意味がないと思う。使うことに付随する付加価値が重要で、たとえ手間がかかって面倒でも、その時間を楽しいと思えるかどうかですね。
Shinya Endo インテリアスタイリスト、BOOTSYORK代表。人の温度を感じさせるスタイリングが得意。商業施設のディスプレイや店の内装のコーディネートと幅広く活躍。

photo : Kazumasa Harada styling : Riko Tsuchiya (BOOTSYORK) text : Naomi Yokoyama (cat)

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