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中国・雲南で出会った大葉風な薄荷。 アジア植物紀行。写真と文:堀江麗(蒸留家)#1October 07, 2026
植物の香りに惹かれて、アジアのさまざまな土地を旅してきた。今回の連載では、旅先で出会った植物と、その土地の食や暮らしとのつながりを紹介していこうと思う。
雲南省を訪れたのは、日本で複数の飲食店を手掛ける石渡康嗣さんをはじめ、蒸留家の先輩など複数人での旅だった。現地では「植物」をテーマに、山に松茸を採りに入ったり、梅林を歩いたり、たくさんのフィールドを見て回った。

なかでも印象に残っているのが、米線(ミーシェン)とともに食べた”薄荷(ハッカ)”だ。米線は、米粉を練って作られる雲南の郷土料理で、見た目はビーフンや米粉麺に近いが、独特の弾力がある。スープは肉の出汁が効いている。パクチーやネギ、そして薄荷といった香草を惜しみなく盛り付けるスタイルだ。薄荷は、日本のものよりも葉が大きく、口に含んでもすっきりとしたミントのような清涼感はない。もっとしっかりとした味わいがあり、どちらかというと大葉に近い風味がする。

調べてみると、大葉(紫蘇)と薄荷は、実は同じシソ科の植物だという。属としては別々の遠い親戚のようなものだが、香りの奥底に、どこか共通する成分を持っているらしい。ミントなのに大葉のような味がしたのは、この近い血筋のせいだったのか......と、妙に納得してしまった。雲南では、この大葉のような薄荷を、米線のトッピングだけでなく、牛肉と炒め合わせたりもする。雲南の牛肉はあっさりとした味わいのものが多いため、しっかり味のある薄荷との組み合わせは抜群だった。酢と塩だけのシンプルな和え物にすることもあるそうで、香草というより、立派な主役料理の一つとして食卓にあがっている。
日本で薄荷といえば、モヒートに使う程度で、食のシーンで主役になることはあまりない。けれど帰国後、大葉と薄荷を半分ずつ合わせて食べてみたところ、あの雲南で感じた味わいに近づいて、なかなかおいしかった。同じシソ科の二つを掛け合わせるだけで、遠い国の食卓の記憶がよみがえる感覚を、ぜひ試してみてほしい。
蒸留家 堀江 麗



























