小林エリカの文房具トラベラー

&STATIONERY / November 18, 2021 小林エリカの文房具トラベラー vol.15「筆箱」

小林エリカ 文房具トラベラー
文房具 トラベラー 小林エリカ 筆箱 ペンケース pencase

 筆箱を探し求めて三千里。我が愛する文房具を収めるに値する完璧な筆箱に出会いたいと研究調査を重ね、とにかく会う人ごとにみんなの筆箱を盗み見た。
 結果、NYのペインターがジップロックに色鉛筆とペンを入れて持ち歩いていたのはかっこ良かったな。あとかっこ良かったのは絵を描く友人が〈ROZA洋菓子店〉のクッキー缶にペンや定規を入れて使っていたこと。そう、そういえば、かのキュリー夫人も娘たちからの手紙を砂糖菓子店のリボンで束ねて大事にとってあったと読んだことがある。私は俄然その砂糖菓子店へ行きたいと考えたが(パリの砂糖菓子店だろうか!? あわよくばその菓子店のクッキー缶も手に入れたい!)さすがに店名までは書いていなかった。残念。
 ところで一体全体何なんだ、この文房具と菓子たちの蜜月関係は!? もしや私の食い意地のせい? 菓子に目を奪われているだけ? かようなわけで我がトラベルは菓子店へまで拡大中。ちなみに私はビックリマンチョコのウエハース部分まで嬉々としていけるタイプの人間です。もぐ。

文房具 トラベラー 小林エリカ 筆箱 ペンケース pencase
左/魅惑の定番〈資生堂パーラー〉花椿ビスケット缶に日本画絵の具を。右上/イタリア〈バルベーロ〉のトロンチーニ缶にはカッター、鋏。右下/乙女心鷲掴みのオーストリア〈デメル〉のスミレの砂糖漬け紙箱にはペン先を。
左/魅惑の定番〈資生堂パーラー〉花椿ビスケット缶に日本画絵の具を。右上/イタリア〈バルベーロ〉のトロンチーニ缶にはカッター、鋏。右下/乙女心鷲掴みのオーストリア〈デメル〉のスミレの砂糖漬け紙箱にはペン先を。

edit : Kisae Nomura
※この記事は、No.16 2015年 4月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。


作家・マンガ家 小林 エリカ

シャーロック・ホームズ翻訳家の父と練馬区ヴィクトリア町育ちの四姉妹を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)発売中。2021年夏、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)が発売。
Latest Issue心を揺さぶる、アートの力。2022.06.20 — 880円