あの人が大切にしている、暮らしの本。

〈YAECA〉の井出恭子さんが大切にしている、住まいの本。『作家の家』September 01, 2023

井出恭子_作家の家_貧乏な天使が小鳥に変装する 枝に来て それはうたふわざとたのしい唄を すると庭がだまされて小さな薔薇の花をつける

この先の目指す方向性を見せてくれた。

10年ほど前に買い求めた昭和の作家たちの家の本。両手に収まるサイズで大判の建築本以上に入り込めました。というのも、それまで建築本を建物中心で見ていたのに、この本では急に暮らしぶりに目がいく。眺めていると、この人はこんなに素敵に暮らしていたんだと胸打たれて、ここがまさに目指す方向性ではと感じ始めました。立原道造のヒアシンスハウスを知ったのもこの本。ものすごく小さな家なのですが「天使が変装した小鳥に庭がだまされて薔薇を咲かせる」という一節のように、家庭などの小さな単位だと自分の振る舞い一つで世界が変わるのが、目に見えて起こる。そこが読んで納得できたんです。小さな家ほど完結している。今後進む道として、そういう思考は役に立つような気がしました。

Ide-books

『作家の家』編 コロナ・ブックス編集部(平凡社)

Kyoko Ide

井出恭子 Kyoko Ide
〈YAECA〉企画・運営。子育てをしながら、社を通してさまざまなアイデアを形にしている。運営を手がける鎌倉市のink galleryでは、7月23日までジュエリーデザイナーによる『テッド・ミューリング』展を開催中。

illustration : Shapre text : Akane Watanuki edit : Wakako Miyake

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