INTERIOR 部屋を整えて、心地よく住まうために。

34平米ワンルームでふたり暮らし。インテリアデザイナーならではのセンスと工夫が光るディスプレイ。April 17, 2026

小ささにこそ生きる、ディスプレイの妙。

ダイニングテーブルとキャビネットは〈BEARER〉 のオリジナル家具。チェアはイームズやアアルトなどの名作ヴィンテージで揃える。
ダイニングテーブルとキャビネットは〈BEARER〉 のオリジナル家具。チェアはイームズやアアルトなどの名作ヴィンテージで揃える。
物件選びの決め手にもなった作り付けのデスクが、達也さんのお気に入りの場所。
物件選びの決め手にもなった作り付けのデスクが、達也さんのお気に入りの場所。

 インテリアデザイナー・佐々木達也さんが妻の夏海さんと暮らすのは、都内にあるデザイナーズマンションの一室。壁の大部分にはバーチ材のパネルが格子状に張られていて、残りの一部と天井はコンクリート打ちっぱなし。木の温もりとモダンな質感が違和感なく共存し、入って早々にどこかほっとする。大きな窓から差し込む光も気持ちよく開放感があるが、この部屋はわずか34㎡のこぢんまりとしたワンルームだ。玄関から一歩足を踏み入れてすぐにあるのがダイニングルーム。間仕切りを兼ねる収納棚を隔てて水回りとベッドスペースがあり、その先はベランダというコンパクトな間取り。「工夫しながら整えていくうちに、この小さな家の心地よさに気付きました。今の二人にはちょうどいいです」と、達也さんはいう。

 ともにインテリア関係の仕事に長く携わってきたこともあり、どうしてもものが増えてしまいがちだという佐々木さん夫妻。それでもこの家がごちゃごちゃとしていないのは、〝隠すところは隠す、見せるところは見せる〞 というメリハリが利いた空間になっているから。洋服や食器、家電などの生活感が出やすいものは、仕事机を挟むように作り付けられた大きな収納と、件の間仕切りを兼ねる扉付きの棚に収めた。一方で、旅先や骨董市などでつい集めてしまうという小物類は、出窓のサッシや収納の上などをうまく使いながら並べている。以前は〈ミナ ペルホネン〉のショップスタッフとして店頭に立っていた夏海さんはいう。「ヴィンテージや民藝品、作家ものなどを季節や気分に合わせて出したり引いたり。お店のディスプレイ替えをしている感覚ですね。自分たちが持ち寄ったものは国も作家もバラバラですが、そこからいろんな組み合わせを考えるのが楽しいんです」

 生活感はそっとしまい、愛でたいものをさりげなく引き立てる。そんな工夫が生きるこの部屋は、仲睦まじい二人のセンスの結晶なのだ。

ダイニングルームと水回りを隔てる仕切りの裏には、備え付けの小ぶりな洗面台が。夏海さんが生ける花々が、ささやかな彩りを添えている。
ダイニングルームと水回りを隔てる仕切りの裏には、備え付けの小ぶりな洗面台が。夏海さんが生ける花々が、ささやかな彩りを添えている。
ベッドスペースとダイニングルームの間仕切りになるように配置されている可動式収納。扉ごとに用途を分け、食器などの日々よく使うものが収められている。
ベッドスペースとダイニングルームの間仕切りになるように配置されている可動式収納。扉ごとに用途を分け、食器などの日々よく使うものが収められている。
間仕切りを兼ねる収納の裏がベッドスペース。〈ミナ ペルホネン〉のテキスタイルを使ったクッションや照明などが置かれ、余白を残したスペースに。
間仕切りを兼ねる収納の裏がベッドスペース。〈ミナ ペルホネン〉のテキスタイルを使ったクッションや照明などが置かれ、余白を残したスペースに。
建築家ユニット「ワークショップ」の谷内田章夫が手がけた小規模マンション。向かい合う形で窓があり、日当たりも良好。
建築家ユニット「ワークショップ」の谷内田章夫が手がけた小規模マンション。向かい合う形で窓があり、日当たりも良好。
佐々木達也 〈BEARER〉インテリアデザイナー 佐々木夏海 〈BEARER〉アシスタント | 佐々木達也 〈BEARER〉インテリアデザイナー 佐々木夏海 〈BEARER〉アシスタント

佐々木達也 / 佐々木夏海〈BEARER〉インテリアデザイナー /〈BEARER〉アシスタント

達也さんは、〈ランドスケーププロダクツ〉で家具の設計製造、卸業などに携わったのち、2022年に独立。妻の夏海さんは達也さんとともにEC事業を運営。

photo : Shinnosuke Yoshimori

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