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夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。March 04, 2026

 本誌人気連載「&Kyoto 京都さんぽ部」で延べ1000軒以上のおでかけスポットを取材してきた、現地在住ライター、コーディネーターの大和まこさん。ここでは「朝食」「おやつ」に続いて、夕食選びにも重宝するおいしい「酒場」の最新情報をまとめてくれました。ここ数年広がるワイン食堂、バーはますます勢いを増しているのに加え、各国料理を楽しめる場や、新鮮なクラフト酒に出合える店など、魅力的な選択肢は増える一方。明るい時間からの一杯を楽しめる店も。なかでも特におすすめしたい5軒を選りすぐって紹介します。

1.路地奥に突然現れる 『ジャスト食品』。

1.路地奥に突然現れる 『ジャスト食品』。 夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。 | ビニール手袋でかぶりつく半羽からあげ・1600円、瓶ビール・TERRA600円。
ビニール手袋でかぶりつく半羽からあげ・1600円、瓶ビール・TERRA600円。
1.路地奥に突然現れる 『ジャスト食品』。 夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。 | ここが京都であることを忘れるビジュアル。わかっていても毎回驚いてしまう。
ここが京都であることを忘れるビジュアル。わかっていても毎回驚いてしまう。

 2012年に韓国スープ定食の『ピニョ食堂』を開いたのを皮切りに、韓国の旬の食文化やライフスタイルを伝える店を展開してきた全敞一(ぜんしょういち)さん。7店舗目の『ジャスト食品』は、カメックと呼ばれる食料品店の軒先の角打ちをテーマにしたもの。看板もない路地奥にポツンと置かれたアヒルの照明が店の目印。壁にはハングルが躍り、業務用冷蔵庫からビールサーバーが飛び出している。韓国ではお馴染みというインスタントラーメンを自動で作るマシンも設置されている。ビニール手袋をはめて豪快にかぶりつくフライドチキンが看板メニュー。けれども窓の外には寺の境内が広がる不思議な空間。全さんのエンターテイナーぶりが凝縮する。味も雰囲気も含め、京都に来たなら足を運びたい、という人が多いのも納得のピニョ系列最新店だ。

京都市下京区京極町515‒6 ☎080‒2792‒3392 14時〜23時 不定休 系列の『ハハハ』から歩いて1分の距離。

2.コの字カウンターに集う『酒パークピン』。

2.コの字カウンターに集う『酒パークピン』。 夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。
今日のアテもり合わせ(5種)1000円、グラスロゼワイン1050円。

 烏丸御池の炭火バル『スミヤピン』の姉妹店として登場した『酒パークピン』は、店主の宮﨑夫妻が自分たちの理想を形にした店。「コの字カウンターでお客さんと一緒に過ごせる場が欲しくて。おしゃれすぎるのも違うから、酒の公園と名付けました」と妻の由香理さん。昼飲みの空気にも料理にも合うとロゼワインがグラスで用意され、焼酎がずらりと揃うのにも心くすぐられる。羊やスパイスをふんだんに使い、アジアの雰囲気をまとった料理もまた酒を進ませる加減のよさ。内容はその時々ではあるものの、サワラの炙りカルパッチョ パクチーミントソース、ディルマヨ卵なんて料理がアテもり合わせとして供されるのもうれしい。酒好きが思い思いに過ごしたくなる、まさに公園といった様子。

京都市中京区新椹木町通竹屋町上る西革堂町175‒2 ☎075‒741‒7720 13時〜22時(21時LO、土12時〜) 日12時〜20時(19時LO) 月休ほか不定休

3.健康にも気を配るイタリア酒場『ポリ』。

3.健康にも気を配るイタリア酒場『ポリ』。夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。
DAICHI1280円、雲仙ハムカツ880円、グラスワイン900円〜。

北大路の住宅地にふいに現れる一軒家の店。レストランかと思いきや、酒場使いもできると聞いてうれしくなる。店主の菜歩里さんは、大阪の人気イタリアンで修業を重ね、朝から楽しめる酒場を形にした。「お酒も好きだけど、健康も気にしたい。体にやさしい軽やかな料理で、両方を叶えられたら」という。たとえば写真のDAICHIは、大原有機野菜プレートと書き添えられた一皿。焼く、茹でる、揚げる、生と調理法を変えた10種ほどの野菜が盛り込まれている。雲仙ハムカツツナソースは、茹でた仔牛肉にトンナートソースをかけるピエモンテの伝統料理を大胆にアレンジ。ルーツがイタリアンであることが感じられる料理も加わり、ナチュラルワインとともに、肩の力を抜いて過ごしたい一軒だ。

京都市左京区下鴨西本町28‒3 ☎なし 10時〜15時30分(15時LO)木休ほか不定休 詳細はInstagram(poli_kyoto)を。

4.アテ仕様の点心が心くすぐる『コンカ』。

4.アテ仕様の点心が心くすぐる『コンカ』。夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。 | 自家製皮の水餃子や揚げ春巻きも定番。
ティムールペッパージンサワー850円。
自家製皮の水餃子や揚げ春巻きも定番。 ティムールペッパージンサワー850円。
4.アテ仕様の点心が心くすぐる『コンカ』。 夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。 | カウンターでは中本さんの息子が〝こども店長〞としてお客さんを迎えることも。
カウンターでは中本さんの息子が〝こども店長〞としてお客さんを迎えることも。

小学生の母でもある店主・中本はるさんが開いたのは、高野川沿いの開放的な空間が魅力の『コンカ』。「大人も子どもも一緒に楽しめる場が欲しかった」という。料理はスパイスづかいや食材の組み合わせに、捻りを利かせたアジア料理。黒板メニューはどれも魅力的で、いつも悩ましい。この日選んだのは国産牛と雪菜の手ごね水餃子(680円)やレモングラスとこぶみかん葉の海老揚げ春巻(890円)。クミンごぼう味噌や焼き下仁田ねぎなど、季節野菜を味わう焼売も開店以来の人気だ。四川青山椒を漬け込んだジンや、漢源花椒と陳皮を漬け込んだラムなど飲み物もユニークなもの揃い。料理も酒も、メニューを眺めるだけで心が弾み、口にすると驚きがある。ここでしか出合えない味と時間を求めて、足を運びたくなる存在。

京都市左京区高野西開町15 1階 ☎なし 12時〜17時(16時LO)金休ほか不定休 詳細はInstagram(conca_kyoto)を。

5.レストランと酒場の いいとこどり『シン』。

5.レストランと酒場の いいとこどり『シン』。夕食選びにも重宝する、京都さんぽ部部長の酒場ガイド。
ソデイカと塩レモン 魚醤バターのパスタ1900円、ワイン1100円〜。

 料理人・吉田伸介さんが独立にあたり選んだのは、キッチンと客席がフラットな一枚板のカウンター席、個性豊かな食材や調味料を生かしたイタリア料理というスタイルだった。妻、祐未さんの出身地、和歌山から届く豊かな食材もふんだんに使われる。たとえば那智勝浦から届くソデイカと『紀州 原農園』のレモンを魚醤バターでまとめた一皿は人気で、もはやスペシャリテのひとつ。「レストランほど肩肘張らず、お酒と一緒に楽しんでもらえたら」と吉田さん。国を問わないナチュラルワインに加え、日本酒や京都〈オービア〉のクラフトビールなども揃える。まだ明るい16時からの営業で、軽く飲むのも、しっかり食事をするのも、どちらも叶う懐の深さも魅力。

京都市上京区大宮通丸太町上る1町目847 ☎075‒406‒0899 16時〜22時LO 水休ほか不定休

photo & edit & text : Mako Yamato


「京都さんぽ部」部長、ライター、コーディネーター。 大和 まこ

大和まこ
「京都さんぽ部」部長。ライター、コーディネーター。京都ライター歴も26年に。創刊時から続く連載「&Kyoto」は2024年に丸10年、120回目を迎えて継続中。京都の景色や、食べたもの、買ったものをInstagram(@makoyamato)で発信している。

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