Music

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/猪野秀史 (INO hidefumi) vol.1February 03, 2023

February.03 – February.09, 2023

Saturday Morning

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Title.
Cue
Artist.
YMO
先日、惜しくも旅立たれた高橋幸宏氏のボーカル曲。中学時代に部屋に籠って繰り返しこのアルバムを聴いたり、ジャケットに刻印されてた謎の温泉マークの意味を知りたくて5歳上の兄にしつこく質問したけど納得のいく回答が得られず兄弟喧嘩に発展したという思い出の曲です。子供の頃に初めて買ってもらったレコードも高橋幸宏氏が作曲した「ライディーン」のシングル盤でした。YMOの数ある名曲の中でたぶん一番好きな曲が「Cue」です。このアルバムには他にも「Ballet」「Camouflage」など高橋幸宏氏の名曲が収録されています。キラキラとした朝の眩しい光の中で、YMOの革新性と狂気に身を委ねる心地良さを堪能してみて下さい。
アルバム『BGM』収録。

Sunday Night

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Title.
Orbit Aurora
Artist.
Tom Dissevelt & Kid Baltan
電子音楽やストレンジ系、イージー・リスニングはアート・ワークも好きなものが多いのでレコードで欲しくなります。これは20年くらい前に『Manual of Errors SONOTA』で購入。世の中にシンセサイザーが登場する前の作品で1950年代のオランダで録音されました。電子音楽にはこむずかしい曲も多々ありますが、この曲は聴きやすくて面白いです。なんとなく日曜の夜って寂しいので、ついついレコード屋さんのサイトをうろついて散財していることが多いです。一週間の中でも音楽を聴いている時間が一番長いかもしれません。寂しがり屋の一人好き、というものでしょうか。そんな日曜の夜は、幸福と孤独に身を委ねる心地良さを堪能してみて下さい。
アルバム『Electronic Music』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン 猪野 秀史 (INO hidefumi)

宮崎県延岡市生まれ。自身の作品を発信するインディペンデントレーベル〈INNOCENT RECORD〉主宰。 フェンダーローズをメインに据えたエレガントかつ攻撃的な楽曲で10数枚の7inchレコードをリリース。 ノンプロモーションにもかかわらず、口コミで国内外からも支持を獲得し数々のクラブヒットを生み出す。 1st.アルバム『SATISFACTION』(2006年)はインディペンデントレーベルの可能性を引き出した鮮烈なデビュー作となった。また全作品のアートワーク制作や他ミュージシャンの楽曲提供、編曲など活動は多岐に渡る。自身による初のボーカルアルバム『SONG ALBUM』(2018年)は細野晴臣、林立夫、鈴木茂、 小西康陽、常磐響、沖祐市(東京スカパラダイスオーケストラ)、ハマ・オカモト(OKAMOTO’S)、馬場正道らが推薦コメントを寄稿。その世界観は幅広い層の心を揺さぶりながら浸透中。2021年には新作『IN DREAMS』を発表。

innocentrecord.net

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