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本屋が届けるベターライフブックス。『水の出会う場所』魚住陽子 著 (駒草出版) 選・文 / エトセトラブックスBOOKSHOP / September 01, 2022

This Month Theme女性の生き方を考える本。

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中篇集。どの物語にも植物と水の気配がある。「緑の擾乱」の主要登場人物は子を産まなかった姉タキ子と本家を継いだ妹ウタ子、甥カイとその妻の今日子(彼女もまた子を産まない)。季節ごとの恵みをくれる美しい庭や果樹園に流れるヴィヴァルディの音色に乗せ、墓守娘と周囲の人生が交錯する。カイは「憎み合っている」と思い込んでいるが、実際はそうでもない、しかしそれぞれに苦しんでいる女たち。終盤でタキ子が甥に言う「子を産む女だけが守ることができるものは、なくなったっていい」につまった、彼女の長い長い時間を思う。ラスト、カイと今日子の行動が周囲に風を通す。
「水の上で歌う」は夫を看取り娘も巣立った家に、気が合うわけでもない女性を間借りさせている60代の女性が主役。かつての女友達との思い出を胸に日々を生きる彼女が、別離のあとに“自分ひとりの部屋“を見つけるシーンは晴れ晴れとしている。
"イエ"から離れ、一人の人として生きる/生きようとするとき、女は真正面から女を想うことができる。そんな大人の女性たちが印象的な2篇だ。


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雑誌『エトセトラ』『フェミニズムはみんなのもの』など、フェミニズムに関する様々な本を届ける出版社「エトセトラブックス」が経営するフェミニストのための書店。 住所:東京都世田谷区代田4–10−18 ダイタビル1F 営業時間:12:00 - 20:00 定休日:月火水日 *時々、こちらの曜日に営業することもあるのでSNSにて確認を。

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