料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
10.シンプルな焼き網。料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。May 23, 2022
2022年5月11日発売の特別編集MOOK「&Kitchen/台所の工夫と、道具選び」。台所と道具にまつわるコンテンツをまとめた1冊から、一生付き合える調理道具について、料理家・冷水希三子さんに検証して選んでもらいました。
アナログだからこそできる塩梅。
コンロの上にのせてパンや野菜、魚を焼く焼き網。オーブントースターなどと違い、遠火の強火で焼くことで食材の中の水分が蒸発せず、外はカリッ、中はしっとり仕上がります。直火のため火加減が難しいのが難点ですが、そこは焼き網の選び方次第。網の下にセラミック板や目の細かい下網が付いているタイプなら、直接火が食材に当たらず焦げにくい。セラミック板や下網が溜め込んだ熱が満遍なく食材に伝わり、均一な焼き上がりになります。ピーマンや空豆など表面を強火で一気に焼いて中を蒸し焼きにしたいときは下網がないほうが便利な場合も。幅広い料理に使いたいなら下網を取り外せるタイプのものがいいでしょう。
検証1 自立型か、手持ちか?
手持ち型は火との距離を変えることで火加減の微調整がしやすく、自立型は両手があくのが利点。下網を取り外せるタイプなら、より強い火力で一気に焼く料理にも使えます。
検証2 シンプル・イズ・ベスト。
遠火の強火で焼きたい場合は下網を入れて。汚れたり焦げたりしても丸洗いできる素材、折りたたんでコンパクトに収納できる構造など、日常使いするならシンプルなものを。
目の細かい「焼網受(下網)」がガスの直火を和らげ、満遍なく熱を広げる。折りたたむと薄くなり、たわしで洗えるなど賢くてタフ。修理依頼可能。足付金網セット(正方形)¥4,180(辻和金網 ☎075−231−7368)
料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
RELIABLE KITCHEN TOOLS
毎日使っている調理道具。デザインに惹かれて買ったものや、親から譲り受けたもの、さまざまな経緯で手元にあると思います。でも、ふとした瞬間に「ちょっと使いづらいな」と思うことはありませんか。それは気のせいではなく、きちんと理由があるんです。その”理由”にじっくり向き合い、”考えて”みる。料理家の冷水希三子さんと、一生付き合える道具を検証、選んでみました。
photo : Kazumasa Harada styling : Kimiko Hiyamizu edit & text : Yuriko Kobayashi