旬を取り寄せて、贈る。 手みやげ12か月。
ライターP (ぴい) さんが選ぶ9月のお取り寄せ。「麺食べ比べセット」と「梨・豊水」September 18, 2023
本誌連載「&food」でもおなじみ、フードライターのP(ぴい)さんこと渡辺紀子さんが、四季折々の気分に寄り添う、お取り寄せできるおすすめ手みやげをセレクト。大切な誰かへのプレゼントにはもちろんのこと、自分へのご褒美にも嬉しい、季節のおいしいものがずらり。その月のおすすめを、毎月18日に紹介していきます。贈り物の年間計画は、これでばっちり。
秋の深まりとともに、 食欲も深まりゆくのである。
選と文/ P (ぴい)
縁あって、中田英寿さんとお仕事をさせていただいたとき、打ち合わせの場で出してくださったのが『梨屋 与左ヱ門』の豊水だった。衝撃を受けた。さくりとかじると、口の中で果汁がほとばしる。まるでジュースだ。中田さんはフルーツの中で梨が一番好きで、なかでも幸水が大好きだそうだ。打ち合わせ時には時季が遅く、豊水になったと残念そうだった。翌年いただいた幸水の濃厚な甘味は忘れられない。でも、私は豊水が好き♡
与左ヱ門は200年も続く農家。その畑があるのは、8代目・田中総吉さんの自宅から1時間もかかる千葉県富里市だ。土作りこそが命という田中さんが、存分に土作りに専念できるこの地に畑を作ったのだ。まるで両手を広げるように伸びた枝には、重そうな大きな実がなっていた。下草は丁寧に刈られ、手入れが行き届いた畑の美しさに感動する。おいしいはずである。
時々お昼に訪ねる『広尾はしづめ』では、中華、ごぼう、柚子、生姜、山椒、翡翠など、形状も材料も異なる練り込み麺から好みの麺をチョイスできる。製麺所が営む「麺が主役」の中華料理店だけある充実度。麺しか食べたことはないのだが、次はほかの料理にも挑戦したい。オンラインでは5色食べ比べという、麺好きなら歓喜の涙なしではいただけないセットあり。
Illustlation : Mame Ikeda text(data) : Yukiko Daigo
*2022年12月20日発売の本誌特集『真似をしたくなる、お取り寄せ』に掲載されたものです。一部の商品は2022年に発売した情報を紹介しており、2023年は内容変更の可能性もあります。