旬を取り寄せて、贈る。 手みやげ12か月。
ライターP (ぴい) さんが選ぶ3月のお取り寄せ。「ばらちらし」と「落雁」March 18, 2023
本誌連載「&food」でもおなじみ、フードライターのP(ぴい)さんこと渡辺紀子さんが、四季折々の気分に寄り添う、お取り寄せできるおすすめ手みやげをセレクト。大切な誰かへのプレゼントにはもちろんのこと、自分へのご褒美にも嬉しい、季節のおいしいものがずらり。その月のおすすめを、毎月18日に紹介していきます。贈り物の年間計画は、これでばっちり。
春が来た、どこに来た? 山や里じゃなく、わが家に。
選と文/ P (ぴい)
春はあけぼの、といわれましても、曙に起きた試しがありません。でも、ウグイスがだんだんと歌がうまくなったり、草花が芽吹いたりと、毎年、春の訪れには楽しみがいっぱい。花を贈りたいと思うのも春気分の一つだ。
『和菓子悠』の花落雁「花暦」シリーズは月替わり。毎月のラインナップを見ると、この花はこの月だったかと発見がある。3月は桜、桃、山吹。食べるのがもったいないくらい、繊細で可憐。しばらく器に並べて飾っておきたい。と言いつつ口に含むと、ほろほろと崩れてすっと溶ける。ちょっとした手みやげに最適だ。ちなみに1月は水仙、福寿草、胡蝶蘭(紅白)、梅(紅白)、椿(紅白)と多彩である。
イノベーティブ・ジャパニーズと呼ばれ、世界のグルマンが訪れる未来志向のレストラン『CAINOYA』。鹿児島から京都へと拠点を移し、さらにグレードアップした花ちらしには、エディブルフラワーやマイクロハーブがちりばめられ、蓋を開けると、部屋全体に春が来たように感じる。米は『八代目儀兵衛』の特別ブレンド米。ドライトマトを煮出したエキスで炊き上げる。具材は、ヴィードプロ(減圧調理器)で、まぐろ、えび、いか、こはだ、さばなどのネタにお出汁やブロード、ヴィネガーを浸透させたもの。世界を視野に入れたちらしである。
Illustlation : Mame Ikeda text(data) : Yukiko Daigo
*2022年12月20日発売の本誌特集『真似をしたくなる、お取り寄せ』に掲載されたものです。一部の商品は2022年に発売した情報を紹介しており、2023年は内容変更の可能性もあります。