小林エリカの文房具トラベラー
カッター小林エリカの文房具トラベラーvol.30March 22, 2022
実は鞄やアタッシェケースにカッターナイフを忍ばせている、という人は少なくないのかもしれない。そういうとなんとも不穏な感じがするが、イラストレーターのHちゃんも至極可愛いトートバッグの中には常にカッターナイフを欠かさないと言っていたし、我が母親もミニカッターナイフを大概持ち歩いている。
ワインの栓が開かない〜って時にさっとサバイバルナイフを差し出す要領で、小包のきつく結ばれた紐を前に、さらっとカッターナイフを差し出されると、確かになるほど持ち運ぶ意義ありと唸らされる。
そして大概そういう人の持っているカッターナイフは切れ味がいい。なぜなら扱いにも慣れているから、カッターナイフの刃も大胆にぽきっと折って真新しい切れ味をやすやすと出すことができるのだ(あの刃を折る工程私は怖くて超苦手)。そんなカッターナイフの使い手はカッコイイ。
これからは、私もハイヒールでハンドバッグの中にカッターナイフを忍ばせたい。何だかサバイバルにも役立ちそうだしね(銃刀法違反に気をつけて♪)。
edit : Kisae Nomura
※この記事は、No.31 2016年7月号「&STATIONERY」に掲載されたものです。
作家・マンガ家 小林 エリカ
シャーロック・ホームズ翻訳家の父と練馬区ヴィクトリア町育ちの四姉妹を描いた『最後の挨拶 His Last Bow』(講談社)発売中。2021年夏、はじめての絵本『わたしは しなない おんなのこ』(岩崎書店)が発売。