Culture

『Journal du Thé』から生まれたアートピースたち。
POETIC PASTEL「TEA TODAY」展開催。現代の茶文化を探求する / August 23, 2019

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ポエティック・パステルが贈る、小さな茶会への招待状

2019年8月30日(金)〜 9月13日(金)、東京・恵比寿のニーディ ギャラリーにて、ポエティック・パステルによるグループ展「TEA TODAY」が開催されます。

ポエティック・パステルは、アーティストのジョアンナ・タガダさんが、温かな記憶や感覚、日常の出来事などから受けるインスピレーションをもとに、様々なアーティストとコラボレーションを展開するアートプロジェクト。

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『Journal du Thé』2018年に出版され好評を博したChapter 1に続き、2019年春にChapter 2を出版。様々な国や文化を横断しながら、彼らが探求する「現代の茶文化」を伝えてくれる。ヨッヘン・ホルツ、ジャティンダー・シン・ドゥハレ、塩川いづみなどのアーティストが参加。テキストは英文。

今回の展示は、タガダさんとグラフィックデザイナーのティルマン S. ウェンデルシュタインさんが共同出版する『Journal du Thé(ジャーナル デュ テ)』の拡張版のような企画。
同書のテーマである「現代の茶文化の探求」から創作されたドローイング、陶、絵画、サウンド・インスタレーション、テキスタイル作品が展示されます。

参加作家はジョアンナさん、セシル・ダラディエさん、ジャティンダー・シン・ドゥハレさんの3アーティスト。

注目は、この度初めて日本で紹介されるダラディエさん。フランスの緑豊かなドーム県に暮らし、陶作品や抽象画、環境芸術、インスタレーション、ガーデニングなどを手がけています。今回は花器やティーセットなどが展示されます。

セシル・ダラディエによる花器「pique - fleurs」
セシル・ダラディエによる花器「pique - fleurs」
セシル・ダラディエのアトリエ。Photo:Johanna Tagada
セシル・ダラディエのアトリエ。Photo:Johanna Tagada
ジョアンナ・タガダによる油彩画。
ジョアンナ・タガダによる油彩画。
新作を描くジョアンナ・タガダ。フランスに生まれ、現在はロンドンに拠点に各国を行き来しながらペインティングやドローイング、インスタレーションなどを手がけている。
新作を描くジョアンナ・タガダ。フランスに生まれ、現在はロンドンに拠点に各国を行き来しながらペインティングやドローイング、インスタレーションなどを手がけている。
ジャティンダー・シン・ドゥハレによる絵画。
ジャティンダー・シン・ドゥハレによる絵画。
ジャティンダー・シン・ドゥハレによる絵画。
ジャティンダー・シン・ドゥハレによる絵画。

タガダさんは、お茶や思考、アイデア、エネルギーを分かち合うために集う女性たちを描いた油彩画を発表。
ジャティンダー・シン・ドゥハレさんは、インドのシーク文化からインスピレーションを受けて描いたネオ・ムガル細密画を発表します。ティータイムの際に生まれるゴミとその処理方法について描いた絵は、どこかユーモラス。彼の絵に登場する動物たちは、動物愛護や搾取を指摘するある種の辛辣さをもって描かれています。

また会場では、ジャーナル誌『Jornal du Thé』も展示販売されます。

写真家・ホンマタカシとお茶を楽しんだ、静かな午後の記録。Photo:Johanna Tagada
写真家・ホンマタカシとお茶を楽しんだ、静かな午後の記録。Photo:Johanna Tagada
福岡県うきは市で茶葉を有機栽培、製造する『うきはの山茶』と在来種のお茶を生産販売する『楠森堂』を紹介。Photo:Tilmann S. Wendelstein
福岡県うきは市で茶葉を有機栽培、製造する『うきはの山茶』と在来種のお茶を生産販売する『楠森堂』を紹介。Photo:Tilmann S. Wendelstein
イラストレーターの塩川いづみさんによるマンガ『Asagao』。
イラストレーターの塩川いづみさんによるマンガ『Asagao』。
ソウルでメタル・デザインを学んだアーティスト、Seoyoon Kimによるティーポット。
ソウルでメタル・デザインを学んだアーティスト、Seoyoon Kimによるティーポット。
『Journal du Thé』オリジナルのトートバックは、会場でも販売。
『Journal du Thé』オリジナルのトートバックは、会場でも販売。

『Jornal du Thé』Chapter 2には、イラストレーターの塩川いづみさんや建築家の手塚由比さん、セラミックレーベル〈SHOKKI〉、陶芸家の市川孝さんなど、日本の作家も多数登場しています。

あなたにとって“安全な場所”とは?という質問に、タガダさんは「お茶をしながら生まれる大切な会話に潜む、親密さが具体化したもの」と答えたそう。そんな彼女たちが発見した、たおやかなお茶の力を感じられる展示となりそうです。
渋谷の古書店『東塔堂』では、タガダさんの個展「Tamil Diary」も開催されます。ぜひ併せてチェックを。

POETIC PASTEL「TEA TODAY」
会期:2019年8月30日(金)〜 9月13日(金)
時間:13:00〜20:00
休廊日 : 水曜日
会場:nidi gallery
住所:東京都渋谷区東 2-27-14 ペガサスマンション恵比寿 #102

Johanna Tagada「Tamil Diary」
会期:2019年8月31日(土)〜 9月28日(土)
時間:12:00〜20:00
休廊日 : 日曜日
会場 : 東塔堂
住所:東京都渋谷区鶯谷町 5-7-1F

text:Yu Miyakoshi

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