MUSIC 心地よい音楽を。

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/太田美帆 vol.1January 06, 2023

January.06 – January.12, 2023

Saturday Morning

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Title.
Viderunt omnes
Artist.
The Hilliard Ensemble
気になって朝刊のラジオ欄を広げると、やっぱり続いてました! NHK-FM本放送開始以前から放送されている早朝のラジオ長寿番組「古楽の楽しみ」。小学生の頃、私の起床タイムといえばコレ(起きたくない…)。布団の中でゴロゴロしながらラジオから流れる教会音楽をバックにまどろむ時間が好きで好きで。特に、寒い冬の朝の光と古楽。完全に溶けあいます。
新しい年の始まりにオススメしたいのは、ノートル・ダム楽派の代表的な作曲家ペロタンの合唱作品集。作風を一言で言えばミニマル。スティーヴ・ライヒに多大な影響を与えたと言われている作曲家です。アルバムの一曲目、「Viderunt omnes」は好きすぎて4声全部を暗譜し多重録音する様を披露するインスタレーションを敢行したほど。初期ポリフォニーの毅然とした美しさは、数式の美しさにも似ているかもしれません。
アルバム『Perotin』収録。

Sunday Night

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Title.
Spiegel im Spiegel(version for violin and piano)
Artist.
Arvo Pärt
小学生で古楽に出逢い、大学生でブライアン・イーノに目覚め、20代半ば、アルヴォ・ペルトに衝撃を受けました。1935年エストニア生まれの作曲家。ルネサンス音楽、バッハ以前の古楽を研究した作曲家。はい、当然好きです。実際夕食のお供に毎晩かけていた時期があります。「Spiegel im Spiegel(鏡の中の鏡)」は、1曲10分近くある長尺曲ですが、そのゆったりした時間の流れに身を委ねると、慌ただしかった気持ちが少しずつ整っていく感じ。自分の演奏会のプログラムにも度々取り入れています。「沈黙の次に美しい音」という〈ECM〉レーベルのコンセプトを、これぞまさに! と表した作品。
アルバム『Alina』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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聖歌隊CANTUS主宰 太田 美帆

東京都出身。8歳で出逢った「聖歌」に心震わせ、音楽家を志す。福岡のギャラリー、うつしきより『共鳴』『嬉々』2枚のアルバムをリリースするが、甲状腺癌により一時的に声を失う。自己流ボイストレーニングを経て復帰。ピアノの小松陽子、ヴァイオリンの根本理恵と共にクラシック音楽ユニット'adagio'もスタート。ギタリストPaniyoloとも活動中。一男一女のシングルマザー。クリスチャン。

instagram.com/ura.cantus

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