MUSIC 心地よい音楽を。

音楽家 Meadowさんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.5March 29, 2024

March.29 – April.04, 2024

Saturday Morning

Title.
Bright Morning Stars
Artist.
Vivien Ellis
The Dufay Collectiveという古楽のグループの中で歌うヴィヴィアン・エリスの声が好きでした。クラシカルな歌唱やトラディショナルは本当に数多くの人が奏で歌うので、一つの曲で全く異なった個性が出るけれど、ヴィヴィアン・エリスの声はその中でもとても好みだった。
彼女のアルバム『The Dawn Songs』の中で歌われている「Bright Morning Stars」。
アパラチアンミュージックのおそらく19世紀の讃美歌。春分を過ぎて、雨の日が続いた。名残の冬を雨が連れ去るように。窓の外の景色とリンクする。ここ最近の疲れも溜め込んだ感情なんかも流れるメロディに洗い流され心底癒された。明るい朝の光景が歌われているけれど、雨の朝にも良く合います。
アルバム『The Dawn Songs』収録。

Sunday Night

Title.
Valuri Si Ganduri
Artist.
Lizabett Russo
愛情深い柔和さを持ちつつ野生的に力強く歌う彼女の声。とっても短いこの歌が子守唄のように夜に響く。ルーマニアをルーツに持つリザベット・ルッソの音楽に出会ってすっかり魅了されて日本に呼び、自分達が企画する演奏会で歌ってもらい共に旅をした。
ライブではシンプルなエフェクターとルーパーでギターと声を自由に操っている姿が、壮大な山や夜の闇の深さ、野生動物の息遣いなどもイメージさせた。少し時を経て、再会したのは彼女が暮らすスコットランド。
今度はスコットランドで音楽の旅を共にした。久しぶりに会えた彼女はもうすぐ母になる頃だった。彼女はどんな子守唄を歌っているのだろうと、深い夜の中で思いを巡らせている。
様々なルーツを持つシンガーたちを招いた演奏会を企画したら面白そう、とワクワク考えている。ラストの寄稿となりました。紹介したい曲が思い浮かび過ぎたけれど、この企画で改めて音楽への愛が深まったのは確かです。今夜も音楽に包まれてそれぞれの日曜日の夜を。
アルバム『While I Sit And Watch This Tree Volume 1』収録。

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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音楽家 Meadow

baobab、「カテリーナ古楽器研究所」として活動するmaikaのソロプロジェクト。2021年始動。自身のヴォーカル、ピアノ、フィドルやヴィオラなどを軸に、抽象的かつ、風景の中を漂うような音世界が響く。水の漂いや光のプリズム、風にたなびく草原、自然に身を委ね包まれるような感覚、時にスモーキーさも含んだサウンドが流れる。2021.1st EP「eau」、2022.5 1stアルバム『オーソルフー』リリース。 2022.5.田辺玄、haruka nakamuraをはじめ、あだち麗三郎、松本未來など多様なアーティストをゲストに迎えた1stアルバム『オーソルフー』をリリース。2023.orbeとともに全国 19ヶ所、28公演のリリースツアーを開催。様々な作品、CM、劇判などにも携わる。 最新作、Meadow × Gen Tanabe名義でのコラボレーションアルバム『Two Lands』を 2024.2.17にCDとデジタルにてリリースした。Meadow(メドウ)とは、草原を意味し、またメドウガーデンとは、自然の生態系により近い庭づくりを意味する。家と外の世界を繋ぐような庭。

instagram.com/meadow__mw

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