MUSIC 心地よい音楽を。
土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/角銅真実 vol.4November 26, 2021
November.26 – December.02, 2021
Saturday Morning

11月最後の週の朝は、静かに自分との時間をすごす朝 ヴィルジニア・ホドリゲスの「Todo O Sentimento」を選びました。
彼女の歌声はまるで人ではないみたい。どこから鳴っているのかすぐには想像できないなんとも不思議な響きがします。お祈りをするための大きな空洞、私にとってはそんなスペースを与えてくれる声です。 ブラジル・バイーア州の州都、サルヴァドールに生まれ、教会で歌っていたところを偶然カエターノ・ヴェローゾに見いだされたという彼女。祈りと歌と共に生きる生活が歌声を形作っていったのでしょうか。 歌とピアノだけで紡がれてゆくこのアルバムを聴くと、彼女の心が形や温度を持ちふるふると震えているのを感じます。それは同時に、私自身の心のありかを感じる時間でもあります。
アルバム『Recomeço』収録。
彼女の歌声はまるで人ではないみたい。どこから鳴っているのかすぐには想像できないなんとも不思議な響きがします。お祈りをするための大きな空洞、私にとってはそんなスペースを与えてくれる声です。 ブラジル・バイーア州の州都、サルヴァドールに生まれ、教会で歌っていたところを偶然カエターノ・ヴェローゾに見いだされたという彼女。祈りと歌と共に生きる生活が歌声を形作っていったのでしょうか。 歌とピアノだけで紡がれてゆくこのアルバムを聴くと、彼女の心が形や温度を持ちふるふると震えているのを感じます。それは同時に、私自身の心のありかを感じる時間でもあります。
アルバム『Recomeço』収録。
Sunday Night

yatchiのピアノの柔らかくて繊細なタッチに耳を傾けていると、聴覚と触覚の垣根が溶けてなくなっていくような感じがして、生まれたての赤ちゃんみたいな気持ちになります。
いつも自然に目を瞑って聴いてしまうこのアルバムは、たまにやってくる眠れない夜の日の相棒でもあります。 寝るのを諦めて温かい飲み物と共にこの曲と過ごす時間は、安心なシェルターの中にいるよう。心をゆるめ、今ここに居ることをただ受け入れてくれる時間の膜になって私を包んでくれます。
アルバム『Night Cultivation』収録。
いつも自然に目を瞑って聴いてしまうこのアルバムは、たまにやってくる眠れない夜の日の相棒でもあります。 寝るのを諦めて温かい飲み物と共にこの曲と過ごす時間は、安心なシェルターの中にいるよう。心をゆるめ、今ここに居ることをただ受け入れてくれる時間の膜になって私を包んでくれます。
アルバム『Night Cultivation』収録。
音楽家、打楽器奏者 角銅 真実

長崎県生まれ。マリンバをはじめとする様々な打楽器、自身の声、言葉、身の回りのものを用いて、自由な表現活動を展開している。自身のソロ以外にバンドceroをはじめ様々なアーティストのライブサポート、レコーディングに携わるほか、映画、舞台、ダンスやインスタレーション作品への楽曲提供、音楽制作を行っている。2020年1月、初めて「うた」にフォーカスしたアルバム『oar』(ユニバーサルミュージック)を発表。
Profile photo : Tatsuya Hirota