長田佳子の季節のハーブを愉しむお菓子。
vol.13 カレンデュラのヨーグルトチーズケーキHerbal Sweets / April 16, 2021
自然からのいただきものであるハーブの力を取り入れて、心と体に優しく寄り添う「レメディ」のようなお菓子を作る〈foodremedies〉として活動する菓子研究家の長田佳子さん。砂糖にはない甘さやほのかに感じる苦味、鼻をくすぐるいい香り——。ハーブはそのときの心と体の状態によって、五感で感じ取るものが繊細に変化する奥深さを秘めた暮らしに役立つ植物です。そんな季節のハーブを使った長田さんオリジナルのお菓子のレシピを紹介するこの連載。第13回は「カレンデュラのヨーグルトチーズケーキ」をお届けします。
This Month's Herbal Sweets
「カレンデュラのヨーグルトチーズケーキ」
「カレンデュラ」のエキスを取り入れた、ヘルシー・レアチーズケーキ。
春になると花屋や花壇でよく目にする「カレンデュラ」。朝日のような色鮮やかで美しい橙色の花びらの見た目の様子から「花」という印象が強い植物かもしれませんが、実は古くから薬草や料理に使われてきた、ハーブの一種です。例えば、抗酸化作用や免疫力を高める作用が期待できるなど、私たちの健康や美しさを支えてくれる力を秘めています。ぜひ、このシーズンに無農薬栽培で育てられたカレンデュラを取り寄せて、スイーツに取り入れてみましょう。眺めたときの美しさだけではなく、ハーブとしての新たな魅力に気が付けるはず。
今回は、さっぱりと爽やかに締めくくってくれる、ヨーグルト風味のレアチーズケーキを。和・洋・中、どんな食事にも合うので、レパートリーとして持っておくと心強いメニューです。カレンデュラの有効成分をアルコールに漬け込んで作る「チンキ」をフィリングの材料にしたり、トッピングに花びらを散らしてみたり、余すところなくいただきましょう。フィリングには、バターや卵を使わないので、一般的なレアチーズケーキよりも、より体に負担がかからず、おいしさもヘルシーも同時に叶えてくれます。小さめな透明グラスに盛り付けて、涼しげで華やかなムードを楽しんでみて。
レシピ 2人分
・ウォッカやホワイトリカー20ml(アルコール度数が25%以上のもの)
・カレンデュラの花びら2輪分 *1輪は飾り分として取っておく。
・クリームチーズ100g
・きび砂糖15g
・オレンジの皮と汁 小1個分
・ヨーグルト80g
・板ゼラチン1g
・生クリーム30ml
[下準備]
ウォッカやホワイトリカーにカレンデュラの花びらを常温で2週間浸けてエキスを抽出し、「チンキ」を作る。*花びらの色が付くまでを目安に。
クリームチーズを常温に戻して柔らかくしておく。
How to cook
photo: Hiroko Matsubara edit & text : Seika Yajima
ハーブ:まるふく農園 キッチンクロス提供:FLUFFY AND TENDERLY
器:山野アンダーソン陽子ほか
<プロフィール>
菓子監修 長田佳子〈foodremedies〉
菓子研究家。レストラン、パティスリーなどでの修業を経て、YAECAフード部門「PLAIN BAKERY」でメニュー開発、お菓子の製造を担う。2015年に独立。〈foodremedies〉という屋号でハーブやスパイスなどを使ったまるでアロマが広がるような、体に素直に響くお菓子を研究している。著書に『季節を味わう癒しのお菓子』(扶桑社)、『全粒粉が香る軽やかなお菓子』(文化出版局)などがある。