料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
08.肩ひじ張らない卵焼き器。料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。May 21, 2022
2022年5月11日発売の特別編集MOOK「&Kitchen/台所の工夫と、道具選び」。台所と道具にまつわるコンテンツをまとめた1冊から、一生付き合える調理道具について、料理家・冷水希三子さんに検証して選んでもらいました。
扱いやすさと仕上がり、両方あきらめない。
シンプルな卵焼き。でもじつはおいしく作るのはとても難しいんです。ふわふわの卵焼きを作るポイントは安定した火力。熱々に熱した卵焼き器に卵液を流し込むと、ジュワッとおいしそうな音がして卵が膨らんできますよね。このとき、卵焼き器がしっかり熱せられていなかったり、熱が均一に伝わっていないと、卵が上手に膨らまず、ふわふわの食感にはなりません。卵料理に適している素材は熱伝導がよく蓄熱性に優れた銅や鉄。ただ両者とも変色やサビを防ぐための手入れが欠かせない上、火加減や油の量によっては焦げつくことも。初心者はサビや焦げを軽減してくれるような加工が施されたものを選ぶのも手です。
検証1 鉄製でもするんとはがれる。
一度熱を持つと冷めにくい鉄製の卵焼き器は、初心者でもふわふわでジューシーな卵焼きを作れます。表面に特殊加工が施されたものは油馴染みがよく、卵がこびりつきにくい。
検証2 鉄製ならグリルもふっくら。
鉄製の卵焼き器は野菜や肉をちょっとグリルしたいというときにも役立ちます。メインのフライパンを鉄製にするのはハードルが高いという人は、まず卵焼き器で試してみては?
検証3 必要に合わせたサイズ選び。
一般的な卵焼き器は卵2〜3個分を使って焼くサイズ。ひとり暮らしの人や、ひとり分のお弁当用に使いたい人は、卵1個でも作れる小さめサイズを選ぶといいでしょう。
表面に凹凸のある加工を施すことで焦げつきやこびりつきなどの鉄の難点を軽減。高い蓄熱性で卵のほか野菜や肉もふっくら仕上がる。玉子焼(角)¥5,500、(角小)¥4,730(フォームレディ ☎06−6242−8282)
料理家・冷水希三子が検証。理論で選ぶ、揃えるべき道具たち。
RELIABLE KITCHEN TOOLS
毎日使っている調理道具。デザインに惹かれて買ったものや、親から譲り受けたもの、さまざまな経緯で手元にあると思います。でも、ふとした瞬間に「ちょっと使いづらいな」と思うことはありませんか。それは気のせいではなく、きちんと理由があるんです。その”理由”にじっくり向き合い、”考えて”みる。料理家の冷水希三子さんと、一生付き合える道具を検証、選んでみました。
photo : Kazumasa Harada styling : Kimiko Hiyamizu edit & text : Yuriko Kobayashi