〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景

目と口で味わう、白い山茶花の一皿。
―詩仙堂 山茶花雪―〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景 vol.22January 10, 2026

〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、自社仏閣の風景
〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、自社仏閣の風景
京都で和菓子を制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子と文とで表現。京都の風景に思いを馳せたくなる、美しい一皿を紹介します。
目と口で味わう、冬だけの白い山茶花の一皿。

詩仙堂
山茶花雪(さざんかゆき)

 

 文人茶(煎茶)の開祖としても知られる石川丈山によって造営された詩仙堂。その名の由来は、中国の漢晋唐宋の詩家36人の肖像を丈山が狩野探幽に依頼し、また各詩人の詩を丈山自ら書いて四方の壁に肖像画とともにしつらえた部屋のことを「詩仙の間」と呼んだことから。またの名は凹凸窠。でこぼこした土地に建てた住居という意味である。確かにその中を歩くとこぢんまりとした空間の中に凹凸を感じ、非対称に作られた間取りと相まって、精神的余白が生まれる。

 庭にはたくさんの植物が書院から美しく鑑賞できるよう配置され、春にはさつき、秋には紅葉に彩られる。書院から眺めた後に、庭を歩くとその植物たちの違った表情が窺えることも楽しい。12月末になると、詩仙堂に訪れる人々を歓迎するように白い山茶花が咲き誇る。その様はまるで雪が木に積もったようだ。焼きたての麩の焼きに山茶花の花弁を添え、中には山茶花の茶で炊いた白小豆の餡を入れる。山茶花そのものの景色を味わってもらえるようにとこしらえた。冬にしか見られないこの景色を目と口で味わっていただきたい。

唐様庭園で知られる。
▽『詩仙堂』京都市左京区一乗寺門口町27 ☎075−781−2954 拝観9時~17時(受付終了16時45分) 5月23日休 拝観料700円

photo : Yoshiko Watanabe
*『アンドプレミアム』2025年2月号より。


和菓子作家 杉山早陽子

1983年三重県生まれ。老舗和菓子店での修業を経て、2006年から和菓子ユニット〈日菓〉として活躍。2014年から〈御菓子丸〉を主宰している。

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