〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景
紅葉した秋の筵を、かぼちゃの蒸し菓子に。
―矢田寺 木葉筵―〈御菓子丸〉が一皿で表す、京都、寺社仏閣の風景 vol.21December 13, 2025


京都で和菓子を制作する〈御菓子丸〉が、四季折々の寺社仏閣の風景を、独創的な菓子と文とで表現。京都の風景に思いを馳せたくなる、美しい一皿を紹介します。

矢田寺
木葉筵(このはむしろ)
観光客で賑わう寺町専門店会商店街の中に、静かに佇む矢田寺。平安時代に奈良の矢田寺の別院として建てられたという。「矢田地蔵」と呼ばれるお地蔵様は、人々の苦しみを代わりに受け、救ってくれるとされ、寺には住職ご夫婦が手作りしたぬいぐるみ地蔵がにこにことした表情で並ぶ。
毎年12月23日に行われる「かぼちゃ供養」では本堂前に大かぼちゃが奉納され、参拝者はこれをさすって成就を願う。昔から「冬至の日にかぼちゃを食べると、中風除けや諸病退散になる」といわれ、このような行事が今まで続いてきたのだ。夏に収穫されたかぼちゃは、秋まで保存しておくと甘味が増す。食べ頃を迎える頃、京都では色とりどりの落葉でアスファルトが綺麗に染まり、熟したかぼちゃの色と、染まった木の葉の色が偶然にも重なる。
今回表現したのは、秋の筵。かぼちゃ餡とキャラメリゼした餡にそれぞれメレンゲを入れ、蒸し上げた二層の浮島。中にはスパイス、胡桃を入れ、秋に食べたくなる味わいに仕上げた。ふかふかの秋の筵を食しながら成就を願いたい。
本尊の地蔵菩薩立像は代受苦地蔵として知られる。
▽『矢田寺』京都市中京区寺町通三条上ル ☎075−241−3608 拝観8時〜17時 無休 拝観料無料
photo : Yoshiko Watanabe
*『アンドプレミアム』2025年1月号より。
和菓子作家 杉山早陽子
1983年三重県生まれ。老舗和菓子店での修業を経て、2006年から和菓子ユニット〈日菓〉として活躍。2014年から〈御菓子丸〉を主宰している。







































