旬を取り寄せて、贈る。 手みやげ12か月。
ライターP (ぴい) さんが選ぶ5月のお取り寄せ。「山菜お重」と「明太子」May 18, 2023
本誌連載「&food」でもおなじみ、フードライターのP(ぴい)さんこと渡辺紀子さんが、四季折々の気分に寄り添う、お取り寄せできるおすすめ手みやげをセレクト。大切な誰かへのプレゼントにはもちろんのこと、自分へのご褒美にも嬉しい、季節のおいしいものがずらり。その月のおすすめを、毎月18日に紹介していきます。贈り物の年間計画は、これでばっちり。
食欲そそる東西の名物。 食卓にあるだけで幸せに。
選と文/ P (ぴい)
「い〜ら〜かーのなぁみぃと……」という歌が好きだ。「いらか」の意味を知ったのは大人になってからだったけど。真っ青に抜けた空を見ていると、山形『出羽屋』に行ったことを思い出す。先代の時代と当代のシェフズテーブル。スタイルは対照的かもしれないが、山菜ときのこがピカイチであることは間違いない。「月山の山菜お重」は山形出身の友人が取り寄せてくれて、友人たちとプチ山菜祭りをしたりする。わっしょい。
三段重なのだが、一番下の「山菜のおひたしや和え物の詰合せ」が素晴らしく美しい。丹念に下ごしらえされた、うるい、しどけ、青こごみ、赤こごみ、みずなどを、だし醤油や胡麻だれでいただく。忘れられない味わいだ。
福岡の元気いっぱいの居酒屋『藁焼みかん』は、店主とスタッフ、客とのセッションがメチャクチャ楽しい。まずは、思わず舌なめずりしちゃう充実のメニューに目が釘付けとなり、ちょい甘の名物呉豆腐にうっとりするのだが、感動したのは自家製明太子の粒感だ。小さな粒が口の中でちゃんとプチプチはじける。聞けば、店主の奥様が店主考案のレシピで作っているとか。炊きたてご飯にのっけても、バターと一緒にパスタにしても、しらたきと炒め煮にしても、プチプチは変わらない。リピート必至である。
Illustlation : Mame Ikeda text(data) : Yukiko Daigo
*2022年12月20日発売の本誌特集『真似をしたくなる、お取り寄せ』に掲載されたものです。一部の商品は2022年に発売した情報を紹介しており、2023年は内容変更の可能性もあります。