Good for Me 編集部が出合ったベターライフ。
春のおさんぽソングス/MUSIC FOR BETTER LIFE #4 February 2025March 04, 2025

子どもと散歩しながら考えること。
João Gilbertoの「Valsa」という曲が好きです。娘のBebelのために書き下ろしたと言われていますが、内容は子守唄のようなワルツ。「タラララ〜」というスキャットが繰り返される一曲です。
Bebel Gilbertoは2023年、父のレパートリーをカバーした『JOÃO』というアルバムをリリースしました。トラックリストにはもちろん「Valsa」も含まれています。『JOÃO』のジャケットは、Bebelとその息子のポートレート。偉大なる父の功績を、Bebelが丁寧に、丁寧に今の世代へ伝えた一枚です。
昨年の10月に僕にも息子が産まれて、一緒にいられる日のほとんどは散歩に出かけるようになりました。最中、自然とこの「Valsa」を彼に向かって口ずさんでしまいます。僕が彼に伝えられるものはなんなのだろう。ベビーカーでうたた寝する愛らしい顔を見つめながら、自分が親になったことを実感する日々です。今月はとびきりフレッシュな、散歩に出かけたくなる音楽を紹介します。
1曲目はインドネシアのシンガーMonita Tahaleaが昨年発表したスウィートなナンバー。枯れ木に葉が、花がつく風景が思い浮かぶ、みずみずしいサウンドです。
3曲目はペラルーシのバンドСОЮЗ(SOYUZ)の2022年作より。ロシアのシンガーKate NVの声が妖精的(?)で、夢の中にいるような美しい楽曲です。13曲目にも同じバンドから新作のインストナンバーをセレクトしました。
5曲目にBebelの「Valsa」。7曲目は昨年来日も果たした在英SSW・Liana Floresのナンバー。8曲目はそのLianaが参加したJohn Roseboroの作品。いずれも儚い歌声とオーガニックなサウンドが心地よいです。
16曲目にセレクトしたHope Tala、18曲目のMichiはともにこの2月にリリースされたばかりのデビューアルバムから。ソウル、R&Bの注目株待望の新譜ということで、アルバム通して素晴らしかったです。
最後の23曲目、Zé Manoelの「Golden」は昨年カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュのマスター・堀内隆志さんの取材を通して知った作品。長く、美しいアウトロに身を任せ、どんどん歩みを進めたくなります。
編集部員によるリレー連載「Good for Me. 編集部が出合ったベターライフ」。ファッションや日用品、おいしいおやつ、旅先で見つけたもの…など、時には極めて私的な視点でお届けする編集部員のオススメはこちらから。
Editor 松﨑 彬人
