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フィンランドのイカすダサさ。カウリスマキの新作映画「希望のかなた」 西谷真理子December 07, 2017

2017.12.07

フィンランドのイカすダサさ。
カウリスマキの新作映画「希望のかなた」

アキ・カウリスマキの最新作「希望のかなた」がすばらしい。難民3部作の2作目というシリアスな映画なのに、お腹を抱えて笑ってしまう(ストーリーは観てのお楽しみ)。今回オッと思ったのは、これまでフィンランドのダサさ、と思って来た部分が、なぜか違った。登場人物は相変わらず癖のある風貌で、ハリウッド的なスターの顔をしていないし、目を引く衣装も着ていない。が、イカすのだ。生真面目な主役の端整な着こなしも良ければ、シニアのロックスターも深い!ふと、パリコレでもダサいファッションが最先端なことを思い出した。

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© SPUTNIK OY, 2017
12月2日(土)より、渋谷・ユーロスペース他で全国順次公開。

『希望のかなた』

(原題:TOIVON TUOLLA PUOLEN/英語題:THE OTHER SIDE OF HOPE)

監督・脚本:アキ・カウリスマキ
出演:シェルワン・ハジ、サカリ・クオスマネン
2017年/フィンランド/98分/フィンランド語・英語・アラビア語/DCP・35㎜/カラー
配給:ユーロスペース 

12月2日(土)より 渋谷・ユーロスペース他にて 全国順次公開


編集者 西谷 真理子

にしたに・まりこ/『装苑』『ハイファッション』の副編集長を経て、京都精華大学客員教授。編著に『ファッションは語りはじめた』『相対性コム デ ギャルソン』が。

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