MUSIC 心地よい音楽を。
シンガーソングライター・堀込泰行さんが選ぶ土曜の朝と日曜の夜の音楽。vol.2November 10, 2023
November.10 – November.16, 2023
Saturday Morning
![](https://img.andpremium.jp/2023/11/07120128/ab67616d0000b273266754cce367e36f2716354a-300x300.jpeg)
「爽やかなピアノのイントロから心を掴まれ、歌が始まると瞬時に曲の世界へ引き込まれてしまった」。この曲を初めて聴いた時の印象だ。セッションキーボディストとして活躍したニッキー・ホプキンスの歌声はシンガーのそれとは違い、使い込まれていない声帯だけが持つ瑞々しさで満ちている。時に不安定なようにも聴こえる所も、この曲のフォークロックのようなメロディと相まって初々しい魅力として響いてくる。この「瑞々しさ」や「初々しさ」が、この曲の魅力と言ってしまっていいだろう。期待感に溢れる土曜日の朝にピッタリだと思う。
『The Tin Man Was A Dreamer』収録。
『The Tin Man Was A Dreamer』収録。
Sunday Night
![](https://img.andpremium.jp/2023/11/07120201/600x600bf-60-300x300.jpg)
キャロル・キングは大好きなシンガーソングライターの一人だ。彼女の歌声には温かみがあり、押し付けがましくないソウルが溢れている。この曲は日曜の夜、たとえ時計の日付が明日に変わってあなたが独りだったとしても、そっと寄り添い1日の終わりをソフトランディングさせるのを手伝ってくれることだろう。サビから入ってくるジェームス・テイラーの歌う輪唱のようなメロディも、この曲の素朴さを際立たせ、いっそう温かみのあるものにしている。盟友同士が柔らかな炎を囲んで音楽を奏であっている、そんな優しい情景が浮かぶ。音楽は孤独の最良の友なのだ。
アルバム『Music』収録。
アルバム『Music』収録。
シンガソングライター 堀込泰行
![](https://img.andpremium.jp/2023/10/31134239/horigome_Asha230710_low-300x300.jpg)
1997年、兄弟バンド「キリンジ」のVo/Gtとしてデビュー。2013年4月12日 同バンドを脱退し、以後ソロアーティストとして活動を開始。14年11月19日 シングル「ブランニュー・ソング」でソロデビュー。現在までにコラボレーションEP『GOOD VIBRATIONS』を2作、フルアルバムを3作、2023年8月16日には、最新EP『星屑たち』をリリース。代表曲はソロ作「Sunday in the park+STUTS」「WHAT A BEAUTIFUL NIGHT」やキリンジ時代の「エイリアンズ」「スウィートソウル」、馬の骨の「燃え殻」など。希代のメロディメーカーとして業界内外からの信頼も厚く ポップなロックンロールから深みのあるバラードまで、 その甘い歌声は聴くものを魅了し続けている。