MUSIC 心地よい音楽を。
土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/ピーター・バラカン vol.1August 05, 2022
August.05 – August.11, 2022
Saturday Morning

ぼくは長年土曜日の朝と日曜日の夜のラジオ番組を担当しているもので、まずはそのテーマ曲を連想しました。土曜日の方はこの曲。70年代初頭にロンドンで結成されたオシビサはガーナなど西アフリカのメンバーとカリブ海出身のメンバーとによるバンドで、当時「アフロ・ロック」と呼ばれていました。どちらかというとライヴを中心に人気があったのですが、1975年にこの曲がシングルでかなりヒットしました。冒頭の「One, two, sunshine!」という掛け声は「Weekend Sunshine」という番組名にぴったりだと思いつき、その後ずっとテーマに使い続けています。
アルバム『Sunshine Day』収録。
アルバム『Sunshine Day』収録。
Sunday Night

こちらは更に長いです。インターFMの開局(1996年)と同時に始まった「Barakan Beat」のテーマ曲に選んだのは知る人ぞ知るインストルメンタルです。伝説のファンク・バンド、タワー・オヴ・パワーの初期メンバーだったサックス奏者レニー・ピケットは、デイヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」のツアーに参加した後、そのホーン・セクションのメンバーと一緒に束の間組んだボーニオー(日本ではボルネオ)ホーンズで一枚だけアルバムを出しました。ダンス・カンパニーの依頼で作曲した音楽をサックス中心の管楽器と打楽器だけで演奏したものですが、緻密に編曲したこのファンキなサウンドは頭と腰を同時に刺激します。
アルバム『Lenny Pickett With The Borneo Horns』収録。
アルバム『Lenny Pickett With The Borneo Horns』収録。
ブロードキャスター ピーター・バラカン

1951年ロンドン生まれ。ロンドン大学日本語学科を卒業後、1974年に音楽出版社の著作権業務に就くため来日。現在フリーのブロードキャスターとして活動、「バラカン・ビート」(インターFM)、「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK-FM)、「ライフスタイル・ミュージアム」(東京FM)、「Going Back - 音楽と世界」(らふくしまFM)、「ジャパノロジー・プラス」(NHK BS1)などを担当。著書に『ピーター・バラカン式英語発音ルール』(駒草出版)、『Taking Stock どうしても手放せない21世紀の愛聴盤』(駒草出版)、『ロックの英詞を読む〜世界を変える歌』(集英社インターナショナル)、『わが青春のサウンドトラック』(光文社文庫)、『ピーター・バラカン音楽日記』(集英社インターナショナル)、『魂(ソウル)のゆくえ』(アルテスパブリッシング)、『ラジオのこちら側』(岩波新書、電子書籍だけ)、『ぼくが愛するロック 名盤240』(講談社+α文庫、電子書籍だけ)などがある。2014年から小規模の都市型音楽フェスティヴァル「Live Magic」のキュレイターを務める。