MUSIC 心地よい音楽を。

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/野宮 真貴 vol.4April 23, 2021

April.23 – April.29, 2021

Saturday Morning

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Title.

All I Want
Artist.
Joni Mitchell
あまりにも有名な傑作アルバム『Blue』だが、私はこのアルバムの「All I want」というラブソングがとても好きだ。恋愛に嫉妬や束縛はつきものだけど、そんなことを超えて、お互いに自由であるために恋をしたいと願う、強くてチャーミングな女性のラブソングだ。
ジョニ・ミッチェルが創る曲は楽しい曲も悲しい曲も、いつも率直で力強い。彼女の曲を聴くと希望みたいなものが湧き起こってくるから不思議だ。
この曲が生まれた’71年といえば、ヒッピームーブメントの真っ只中。素足にフォークロアのドレスをまとい、ひなぎくの花を飾ったロングヘアの女性が私のイメージ。春は恋する季節! 少し気が早いけど、素足にサンダルを履いてささやかな自由を味わってみたくなる。
アルバム『Blue』収録。

Sunday Night

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Title.
Moon River
Artist.
Audrey Hepburn
一番好きな映画はと訊かれれば、真っ先に『ティファニーで朝食を』と答えるが、実は映画そのものよりもホリー・ゴライトリーを演じるオードリー・ヘップバーンが完璧で大好きだから。彼女のファッション、身のこなし、表情が本当に素晴らしい。そしてギターを爪弾きながら歌う「ムーン・リバー」。子供時代の想い出を綴ったこの歌は、まだ誰でもなかった頃、これから広がる遠い未来に想いを馳せるという歌詞がなんとも切ない。2020年の私の還暦ライブに、生まれた年の曲が歌いたくて「ムーン・リバー」を選んだ。幼い頃に歌手になりたいと思って夢を見続けてきた私と、この映画のヘップバーンが一瞬交差したような気がした。今夜はティファニーのアクセでもつけてみようか。
『Music From The Films Of Audrey Hepburn』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン/エッセイスト 野宮 真貴

ピチカート・ファイヴ3代目ヴォーカリストとして、90年代に一世を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、音楽・ファッションアイコンとなる。現在は“渋谷系とそのルーツの名曲を歌い継ぐ”音楽プロジェクト「野宮真貴、渋谷系を歌う。」を行うなど、ソロアーティストとして活動。2020年は還暦イヤーを迎え、音楽、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍している。 ベストセラー・エッセイ『赤い口紅があればいい』『おしゃれはほどほどでいい』(幻冬舎) ソロベストアルバム『野宮真貴 渋谷系ソングブック』、ピチカート・ファイヴベストアルバム『The Band Of 20th Century: Nippon Columbia Years 1991-2001』が好評発売中。2020年秋に還暦にして初となるモバイルファンクラブ「おしゃれ御殿」をオープンした。 「おしゃれ御殿」 オフィシャルサイトインスタグラム 野宮真貴アルバム PIZZICATO FIVEアルバム 野宮真貴エッセイ

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