Music

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/野宮 真貴 vol.5April 30, 2021

April.30 – May.06, 2021

Saturday Morning

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Title.
Saturday In The Park
Artist.
Chicago
春風が心地よく新緑が美しい一番素敵な季節がやってきた♪ とはいえ、まだまだ不安定な状況も続いていて、楽しいはずのGWもステイホームの日々になりそう。でも時々はお気に入りのTシャツを着て近所の公園で太陽の日差しを浴びたいなぁ。
そんな時に脳内に流れるのがこの曲。もうタイトル通り。
この曲がリリースされた’72年といえば、ベトナム戦争停戦への道を歩みはじめた頃。アメリカ独立記念日7月4日土曜日の公園では、人々が語らい、歌い、ダンスし、笑い声が聴こえる、そんな何でもない光景こそが何より人々が望んでいることだと歌っている。
今、世界の人々が願うことも同じだ。一日も早くこの歌のような平和な日常を取り戻せますように。
アルバム『Chicago V』収録。

Sunday Night

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Title.
Stardust
Artist.
Nat King Cole
歌手になることを夢見ていた子供の頃の私にとって、日曜日の夜といえばこの曲。ナット・キング・コールをはじめ様々な歌手によって歌い継がれてきたジャズのスタンダード・ナンバーだが、私にとっては50年前の音楽バラエティー番組「シャボン玉ホリデー」のエンディングで、ザ・ピーナッツが歌う「スターダスト」が一番思い出深い。クレージーキャッツが繰り広げる贅沢な音楽バラエティーショー。私は、双子姉妹ザ・ピーナッツの歌と踊り、そして彼女達が纏う’50sのドレスに夢見ていた。
日曜の夜というのは一週間のうちで一番静かな時間。いろいろな思いに耽って、それを弄ぶのが不思議と心地よい。そして明日からまた仕事が始まると、ふと憂鬱になったら「月曜日は日曜の続き」と唱えてみよう。人生は案外悪くない。
アルバム『Love Songs』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン/エッセイスト 野宮 真貴

ピチカート・ファイヴ3代目ヴォーカリストとして、90年代に一世を風靡した「渋谷系」ムーブメントを国内外で巻き起こし、音楽・ファッションアイコンとなる。現在は“渋谷系とそのルーツの名曲を歌い継ぐ”音楽プロジェクト「野宮真貴、渋谷系を歌う。」を行うなど、ソロアーティストとして活動。2020年は還暦イヤーを迎え、音楽、ファッションやヘルス&ビューティーのプロデュース、エッセイストなど多方面で活躍している。 ベストセラー・エッセイ『赤い口紅があればいい』『おしゃれはほどほどでいい』(幻冬舎) ソロベストアルバム『野宮真貴 渋谷系ソングブック』、ピチカート・ファイヴベストアルバム『The Band Of 20th Century: Nippon Columbia Years 1991-2001』が好評発売中。2020年秋に還暦にして初となるモバイルファンクラブ「おしゃれ御殿」をオープンした。 「おしゃれ御殿」 オフィシャルサイトインスタグラム 野宮真貴アルバム PIZZICATO FIVEアルバム 野宮真貴エッセイ

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