BOOK 本と言葉。
本屋が届けるベターライフブックス。『火の鳥 ⑤復活編』手塚治虫 著(朝日新聞出版)選・文 / 本のお店スタントン / November 14, 2019
This Month Theme読み継いでいきたい本。
『火の鳥』の物語は手塚治虫の死によって「太陽編」を最後に未完となってしまったが、古代と未来とを交互に描きながら最終章は「現代編」でその円環を閉じる予定だったことを知ったときの驚き!まさに時代と空間を股にかける火の鳥のことを考えるといまも気の遠くなる感覚に襲われる。なかでも超未来の地球が描かれる「復活編」ではiPS細胞やAI技術などの実用化、空飛ぶ車やロボット(愛すべきロビタ!)の反乱もすでに予言? されていることに驚く。この名作漫画で読み継がれるべきは、やはり人類は愚かでちっぽけな存在であり、とてつもなく長い宇宙の歴史の中でほんの脇役に過ぎないということを自覚せよとのメッセージではないだろうか。
Bookshop Stanton 本のお店スタントン
絵本や児童書、アート書、文芸書の新刊書籍を中心に古書売買、雑貨・文具を販売する街の本屋。毎月第2・第4土曜日は「おはなし会」を開催。その他イベントも随時企画している。
大阪府大阪市東住吉区駒川5–14–13