MUSIC 心地よい音楽を。
土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/青葉市子 vol.3November 16, 2018
November.16 – November.22, 2018
Saturday Morning

ブラウン管のテレビをスピーカー代わりにしてジャンゴを聴くととてもよい。甘く苦い音になる。朝日もカーテンの裾もセピアに輝き、少し踊ってみたら、映画の中にいるよう。わたしは18の頃からずっと、ジャンゴを聴きながら米を炊き、味噌汁を作る時間が至福です。
アルバム『Djangology49』収録。
アルバム『Djangology49』収録。
Sunday Night

日本語の響きを噛みしめる。誰もかれもが其処ら中で口遊む、そのひとつひとつに物語があり、唄は時代の背景を憶えている。唄と呼ばれる人間の創造物、きっと、私たちには触れることのできない、いつまでも美しい場所にあり続けるのだろう。
シングル『悲しき口笛』収録。
シングル『悲しき口笛』収録。
音楽家 青葉 市子

2010年にソロデビュー。細野晴臣、坂本龍一、小山田圭吾、U-zhaanとのスタジオ・セッションをCD化した『ラヂヲ』(2013年)や、マヒトゥ・ザ・ピーポーとのユニット"NUUAMM"による『NUUAMM』(2014年)、ビートメーカーSweet Williamとのコラボシングル『からかひ』(2018年)などをリリース。2020年には『&Premium.jp』にて写真家・小林光大の写真とともに、エッセイ「Choe」を連載。2021年から海外公演を開始し、数々の国際音楽フェスティバルにも出演。2025年1月にはデビュー15周年を迎え、約4年ぶりとなる新作『Luminescent Creatures』を2月にリリース。同月下旬から開催された〈Luminescent Creatures World Tour〉は、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、オセアニアの五大陸で50公演以上にわたるキャリア最大規模のツアーとなった。2023年には、文芸誌『群像』でエッセイの連載をスタート。そこでのエッセイをまとめた初の書籍『星沙たち、』(講談社)を、2025年5月に刊行した。