MUSIC 心地よい音楽を。
土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/青葉市子 vol.2November 09, 2018
November.09 – November.15, 2018
Saturday Morning

寝たいだけ眠り、目覚めて、朝いちばんの水がこくりこくり、体内に染み込んでゆくよう。天に向かって伸びをする、空や海のようなでっかいもんに、鼻唄したら、一筋泪流して、ほしたら、またわろたらええ。くるりを聴くとき、いつも小さな妖精が5人くらいで背中をぽんぽんしてくれるような安心感と、自然と前を向けるようなエネルギーを頂いています。
アルバム『ソングライン』収録。
アルバム『ソングライン』収録。
Sunday Night

夜中、すこし大きめの音で、ドライブしながら聴く。通り過ぎる信号の赤や緑がちかちかと眩ませて、このままどこか深い部分に沈んでゆきそう。重なっていく歌声の音圧が心地よいです。曲が終わったあとは、音楽が身体を通った余韻で、しばらくは静かにしていよう。
アルバム『Parallelograms』収録。
アルバム『Parallelograms』収録。
音楽家 青葉 市子

2010年にソロデビュー。細野晴臣、坂本龍一、小山田圭吾、U-zhaanとのスタジオ・セッションをCD化した『ラヂヲ』(2013年)や、マヒトゥ・ザ・ピーポーとのユニット"NUUAMM"による『NUUAMM』(2014年)、ビートメーカーSweet Williamとのコラボシングル『からかひ』(2018年)などをリリース。2020年には『&Premium.jp』にて写真家・小林光大の写真とともに、エッセイ「Choe」を連載。2021年から海外公演を開始し、数々の国際音楽フェスティバルにも出演。2025年1月にはデビュー15周年を迎え、約4年ぶりとなる新作『Luminescent Creatures』を2月にリリース。同月下旬から開催された〈Luminescent Creatures World Tour〉は、アジア、ヨーロッパ、北米、南米、オセアニアの五大陸で50公演以上にわたるキャリア最大規模のツアーとなった。2023年には、文芸誌『群像』でエッセイの連載をスタート。そこでのエッセイをまとめた初の書籍『星沙たち、』(講談社)を、2025年5月に刊行した。