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Music土曜の朝と日曜の夜の音楽。

音楽家 青葉市子


November 30, 2018 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/青葉市子 vol.5

November.30 – December.06, 2018

Saturday Morning

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Title.
The Waters
Artist.
My Little Lover
夢の終わりのまどろみに、静かに鳴っている。起ききってしまう前の磨り硝子のようなひとときに、遠くの誰かが優しく歌っていた。でも起きていないからわからない。ほんとうに水の中のよう。水槽から、たゆたう世界を眺めている、そんな出逢いかたをした一曲です。いま現在も、ちゃんと、起きていながら耳で聴き取ったことはない曲なのだけれど、不思議とずっと、真ん中のほかほかした部分で覚えている曲です。
アルバム『The Waters』収録。

Sunday Night

Title.

Artist.
detune.
detune.の世界は、外れがはぐれていない、ちっちゃな音の粒も、言の葉のささやきも、みんなまとめて抱っこするような。ジャケットを描かれた西島大介さんの漫画タイトルにもなっている「すべてがちょっとずつ優しい世界」に存在しているよう。なにかを言い切ったり、決めたり、しないし、されない、浮遊する心地よさが、無邪気に、自由に音楽で遊んでいるみたいに感じます。
アルバム『オワルゼンド』収録。

November 23, 2018 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/青葉市子 vol.4

November.23 – November.29, 2018

Saturday Morning

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Title.
Estate
Artist.
Joao Gilberto
ブルーノ・ブリゲッティさん作詞、ブルーノ・マルティーノさん作曲の1曲。ジョアン・ジルベルトさんが唄うことで、石ころが転がったことや、虫が飛んだこと、花が揺れたことのように、小さな世界と繋がるように思えます。声と息づかいの魔法。
アルバム『Amoroso/Brasil』 収録。

Sunday Night

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Title.
Estate
Artist.
Bruno Martino
ブルーノ・マルティーノさんが亡くなったあとに発売された作品。ブルーノ・ブリゲッティさんが書いた夏の詩から、メロディが生まれて、曲名やアレンジや、歌う人が時代とともに変わってゆき、いま、わたしの元へも届く。曲は歩いて行くもの。きっと、どんな曲も知らない場所でのびのびと踊っている。昔の人がいつしか口ずさんだ歌も、もしかしたらまるで新しい閃きのように、いまどこかで、誰かの元で生まれているのかもしれない。
アルバム『I Grandi Successi Originali』収録。

November 16, 2018 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/青葉市子 vol.3

November.16 – November.22, 2018

Saturday Morning

Title.
I Saw Stars
Artist.
Django Reinhardt
ブラウン管のテレビをスピーカー代わりにしてジャンゴを聴くととてもよい。甘く苦い音になる。朝日もカーテンの裾もセピアに輝き、少し踊ってみたら、映画の中にいるよう。わたしは18の頃からずっと、ジャンゴを聴きながら米を炊き、味噌汁を作る時間が至福です。
アルバム『Djangology49』収録。

Sunday Night

Title.
悲しき口笛
Artist.
美空ひばり
日本語の響きを噛みしめる。誰もかれもが其処ら中で口遊む、そのひとつひとつに物語があり、唄は時代の背景を憶えている。唄と呼ばれる人間の創造物、きっと、私たちには触れることのできない、いつまでも美しい場所にあり続けるのだろう。
シングル『悲しき口笛』収録。

November 09, 2018 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/青葉市子 vol.2

November.09 – November.15, 2018

Saturday Morning

Title.
その線は水平線
Artist.
くるり
寝たいだけ眠り、目覚めて、朝いちばんの水がこくりこくり、体内に染み込んでゆくよう。天に向かって伸びをする、空や海のようなでっかいもんに、鼻唄したら、一筋泪流して、ほしたら、またわろたらええ。くるりを聴くとき、いつも小さな妖精が5人くらいで背中をぽんぽんしてくれるような安心感と、自然と前を向けるようなエネルギーを頂いています。
アルバム『ソングライン』収録。

Sunday Night

Title.
Chimacum Rain
Artist.
Linda Perhacs
夜中、すこし大きめの音で、ドライブしながら聴く。通り過ぎる信号の赤や緑がちかちかと眩ませて、このままどこか深い部分に沈んでゆきそう。重なっていく歌声の音圧が心地よいです。曲が終わったあとは、音楽が身体を通った余韻で、しばらくは静かにしていよう。
アルバム『Parallelograms』収録。

November 02, 2018 土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/青葉市子 vol.1

November.02 – November.08, 2018

Saturday Morning

Title.
夜明けのジュリアの谷の噴水
Artist.
Ottorino Respighi
「ローマの噴水」(4曲中)の1曲目。朝日が夜のしっぽを追いかけて、街や野原や路地を次々と照らしてゆくような1曲。ピッコロの優しく伸びる音は朝のひんやりした空気を模しているようです。新しい空気や水で、休日のはじまりに煌めきを撒くような楽曲。
アルバム『Symphonic Poems Roman Festival・Pines of Rome・Fountains of Rome』収録。

Sunday Night

Title.
Calendar Girl
Artist.
Sweet William
おいしいご飯を食べて、お酒も少し飲んで、お風呂にも入って、さて明日の支度をするとき、また明日からもよい一週間になりますようにと、心がわくわくする1曲。一寸小躍りしながら、洗濯物を畳んだり、ポーチの中を整理したり、パックしたり、サプリを飲んだり。最後は鏡の自分に笑いかけて、お休みなさい。アルバムを通して、ハッピーになれる作品だと思います。
EP 『Blue Instrumentals』収録。

音楽家 青葉市子

2010年よりソロ作品を発表。最新作は6枚目となるアルバム『qp』(10月24日発売)。そのほかに、細野晴臣、坂本龍一、小山田圭吾、U-zhaanとのスタジオ・セッションをCD化した『ラヂヲ』や、ビートメーカーSweet Williamとのコラボシングル『からかひ』、マヒトゥ・ザ・ピーポーとのユニット”NUUAMM”名義でも作品をリリース。2018年は台湾・タイ・マレーシア・シンガポール・香港を回る自身3回目となるアジアツアーを開催。同年秋からは『ichiko aoba qp tour 2018 – 2019』として全国27箇所29公演を回る。
その他、キユーピー、小田急ロマンスカー、東京エレクトロン、タマホーム等の CM 音楽や『百鬼オペラ 羅生門』『わたしは真悟』『レミング~世界の涯まで連れてって~』『cocoon』等舞台作品への参加、短編アニメ『ブレードランナー ブラックアウト 2022』ではヒロイン・トリクシー役の声優を担当した。また、ちくま書房 PR 誌にて短編小説の執筆を 行う等、多岐にわたり活動中。