MUSIC 心地よい音楽を。
今月の選曲家 小西康陽 May 18, 2018
May.18 – May.24, 2018
Saturday Morning

高校生、そして大学に入った頃、ぼくは1960年代後半から70年代半ばのアメリカの黒人ヴォーカル・グループ、いわゆるスウィート・ソウルのレコードに夢中でした。中でもこのジ・イントルーダーズは最初に手に入れた『スーパー・ヒッツ』というベスト・アルバムが聴き易く楽しい曲ばかりで、何度も繰り返しターンテーブルに載せていました。ジャケットの写真がなぜか床屋の椅子に座っているもので、ちょっと土曜日を感じる、というのはこじつけですが。恋愛なんて野球の試合みたいなもの。ストライク三つでアウト。名曲です。
アルバム『Super Hits』収録。
アルバム『Super Hits』収録。
Sunday Night

スウィート・ソウルに夢中だった時代、数多くの名曲を知りましたが、このザ・プレジデンツのこの曲はいまでも大好きです。あのヴァン・マッコイがプロデュースしたグループ。この曲もやはりアルバムのジャケットのイメージで選びました。恋愛5年目、10年目、と仲睦まじいカップルの写真をあしらったジャケット。とりわけ背中に腕を回して歩くカップルの写真に、ぼくは日曜の夜を感じるのです。たまには外で食事をしようか。付き合い始めた頃のように。とかなんとか。それはともかく、最高にカッコよく素晴らしい曲ですので。
アルバム『5・10・15・20・25・30 Years Of Love-Greatest Hits』収録。
アルバム『5・10・15・20・25・30 Years Of Love-Greatest Hits』収録。
音楽家 小西 康陽

音楽家。1985年、ピチカート・ファイヴのメンバーとしてデビュー。解散後も、数多くのアーティストの作詞/作曲/編曲/プロデュースを手掛ける。2011年、PIZZICATO ONE名義で初のソロアルバムを発表。2015年、セカンドアルバム『わたくしの二十世紀』を発表。過去に手がけた楽曲をまとめた5枚組CDボックス『素晴らしいアイデア小西康陽の仕事1986-2018』(ソニー・ミュージックダイレクト)が6月6日にリリース。