台湾スイーツ食べ比べ
卵をたっぷり使った、昔ながらの台湾ケーキ「古早味蛋糕 (グーザオウェイタンガオ) 」。【&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ 】January 17, 2022
どこか懐かしさを覚える卵ロールケーキ。
台中郊外の豊原に本店があり、1900年創業という長い歴史を誇る老舗の中華菓子店。しっとりとした生地の月餅で知られ、戦前から数多くの賞を受賞してきた名店だ。そして、中華菓子のほか、「蛋糕捲」という卵ロールケーキも人気。「蛋糕捲」はかつて雑貨屋や売店で売られ、おやつの定番だったという。ここでは出来たてを販売しており、生地がふわっとしているのが特色。しかもアヒルの卵を用いているので香りが良く、上品な味わいとなっている。表面にまぶした砂糖のざらっとした食感も加わり、やみつきになるおいしさだ。本店では、多いときにはなんと1日2000個もの売り上げを記録するという。台北店では午前11時に焼き上がるので、この時間帯を狙って訪れるのがおすすめだ。
シュエホワツァイ
台北市松山區八德路四段187號(台北店) ☎02‒2579‒0439 10:00~20:00 日休 1個40元、6個入り1箱240元。常温で1日、冷蔵で3日保存可。
プリンのような軟らかさの巨大スポンジケーキ。
かつては宴会の最後にデザートとして供されていたという円形のスポンジケーキ「布丁蛋糕」。これを焼きたての状態で売るべく改良されたのが、「古早味現烤蛋糕」だ。オーブンから取り出したら、シートと板を重ね、高く持ち上げてからひっくり返す。その後、シートを剥がし、定規を用いて10等分にカットしていく。店先で披露される一連の作業は目を引くもので、熟練の技が必要。ちなみに、ケーキ1個あたりには5個の卵が使用されている。泡立て具合が決め手となり、濃厚な卵の風味と驚きの弾力性はここから生まれる。高さ10㎝×長さ20㎝の大きさでもペロリと完食してしまうはず。チーズ入りのほか、チョコ味やナッツ入りも人気。本店は淡水にあり、『士林夜市』内に分店がある。
ユエンウェイベンプー
台北市士林區文林路101巷14號(文林店) ☎02‒2881‒8985 8:00~21:00 月休 写真はチーズ入り130元。常温で1日、冷蔵で3日保存可。
文/片倉真理 写真/片倉佳史
※この記事は、No. 98 2022年2月号「&Taipei」に掲載されたものです。