旬を取り寄せて、贈る。 手みやげ12か月。
ライターP (ぴい) さんが選ぶ1月のお取り寄せ。「ガレット・デ・ロワ」と「寒氷」January 18, 2023
本誌連載「&food」でもおなじみ、フードライターのP(ぴい)さんこと渡辺紀子さんが、四季折々の気分に寄り添う、お取り寄せできるおすすめ手みやげをセレクト。大切な誰かへのプレゼントにはもちろんのこと、自分へのご褒美にも嬉しい、季節のおいしいものがずらり。その月のおすすめを、毎月18日に紹介していきます。贈り物の年間計画は、これでばっちり。
新年おめでとうな雰囲気の フランスと金沢の〝お甘〞。
選と文/ P (ぴい)
フランス、ヴァンヴの蚤の市は、雑貨好きのパラダイスだ。大皿にガサッと山積みされた小さな陶器の人形群は、よく見ると、使い古されたフェーヴの山だった。フェーヴは新年のお楽しみ、エピファニー(公現祭)を祝福するお菓子、ガレット・デ・ロワに入っているものだ。フランスの子どもたちのコレクターズアイテムでもある。当たった人はその一年、幸せに過ごせるという。長野『ル シエル ブルー』のガレット・デ・ロワは、味はもちろん、しっかり焼き込んだパイ生地のレイエ(流線模様)が美しい。オリジナルのフェーヴ(数量限定)がこれまた可憐で、店主のガレット愛をひしと感じる。
金沢にはお正月に「辻占」というフォーチュンクッキーのような縁起菓子があるのだが、私は「きてほしい」とか「ぬしははなれん」とか、ちょっと意味深な辻占が好きだ。金沢といえば、お茶事に使われる和菓子の名店『𠮷はし』が有名だが、完全予約制で孤高の地位を守っている。もちろん、お取り寄せは難しい。ところが最近、3代目のご兄弟が『豆半』という社内起業というのか店内起業というのかを始められて、予約なしでも購入できるセンスのいいプチプラな和スイーツを発表されている。なかでも、リスの絵が愛らしい袋入りのクルミのお菓子凸凸と、やさしい色合いの寒氷は双璧。
Illustlation : Mame Ikeda text(data) : Yukiko Daigo
*2022年12月20日発売の本誌特集『真似をしたくなる、お取り寄せ』に掲載されたものです。一部の商品は2022年に発売した情報を紹介しており、2023年は内容変更の可能性もあります。