MUSIC 心地よい音楽を。

土曜の朝と日曜の夜の音楽。 今月の選曲家/Small Circle of Friends vol.3February 18, 2022

February.18 – February.24, 2022

Saturday Morning

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Title.
Running On A Rainy Day
Artist.
Paul White
昨夜の深酒により頭痛を伴いつつ目覚めた朝には、その〝後悔〞を洗い流すような音楽を聴きたい。ポールホワイトはダニーブラウンをはじめとした〝ちょっと変わったラッパー〞と多く仕事をする〝ちょっと変わったヒップホッププロデューサー〞と目されているが、その根底にはサイケデリックミュージックがある。けして〝重く、暗く〞なることなく、ひたすら〝軽く、明るい〞。さらには希望さえ感じる、そんなサイケデリア。
荒いリバーブ、ディレイの粒子が、タイトル通り雨粒みたいに降り注いで、その中を走っていく。身体に残っていたアルコールもすっかり抜けきって、爽快な朝がやってくる。イメージって大事。(アズマリキ)
アルバム『Shaker Notes』収録。

Sunday Night

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Title.
Pling!
Artist.
Shuggie Otis
リズムボックスとエレピ、ちょっとだけオルガン。感情の起伏はあれど、あくまで淡々と演奏する様は、まるで〝夜〞のようだ。
シュギー・オーティスの名盤一人多重録音作品。ブルースギタリストとして世に出たけれど、このアルバム、特にこの曲に関してはそのイメージを感じない。そもそもギター入ってないし。オーバーダブされたホーン奏者、ハープ奏者の演奏もごくごく控えめ。曲の中盤から後半にかけて盛り上がりそうな予感もしてるが、その〝予感〞をスッと引っ込めてしまう。ほら、だって、日曜の夜だから。もう寝なくちゃ。(アズマリキ)
アルバム『Inspiration Information』収録。



&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

&Music / 土曜の朝と日曜の夜の音楽 Ⅱ

音楽好きの“選曲家”たちが月替わりで登場し、土曜の朝と日曜の夜に聴きたい曲を毎週それぞれ1曲ずつセレクトする人気連載をまとめた「&Music」シリーズの第2弾。 23人の選曲家が選んだ、週末を心地よく過ごすための音楽、全200曲。 本書のためだけにまとめた、収録作品のディスクガイド付き。

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ミュージシャン Small Circle of Friends

ムトウサツキとアズマリキの二人組。1993年、United future organizationのレーベル〈Brownswood〉よりデビュー。以来、17枚のフル・アルバムをリリース。2005年にはインストゥルメンタルに特化したサイド・プロジェクト「STUDIO75」をスタートし、英国の人気DJ、ジャイルス・ピーターソンもラジオ・プログラムにてプレイするなど、世界的な評価を得た。アーティストのトータルプロデュースからbeat製作も多数。最新は、BASI、maco marets、kojikojiなど。最新作は2021年12月にリリースした12枚目のアルバム『cell』。2020年の春から冬にかけて、自分たちのスタジオ「studio75」に篭ってレコーディングした、〝今〞の感情をストーレートに表現した。サツキはSustainableな衣料を目指す「75Clothes」も展開。音と服で毎日を暮らす。

linktr.ee/scof75

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