& Premium (アンド プレミアム)

Music土曜の朝と日曜の夜の音楽。

シンガー・ソング・ライター 畠山美由紀


February 26, 2016 今月の選曲家 畠山美由紀

Feb. 26 – Mar. 03, 2016

Saturday Morning

0226_土曜の朝 &Premium
Title.
木洩れ日
Artist.
中島ノブユキ
まだまだ寒さは続くけれど、関東の方だと、とっくに梅の花も咲き、やがて訪れる春の予感に心が少しウキウキとする。選んでみたのは、中島ノブユキさんのアルバム『散りゆく花』より「木洩れ日」。<新しい室内楽を織りなすピアノ、ギター、バンドネオン、オーボエ、弦楽三重奏、コントラバスによる八重奏>。いつも中島さんは色褪せることのない鮮やかな音の色彩を自由自在に使い、懐かしくもあまりの美しさに切なくなるような既知感を覚える曲を書かれています。ご本人が意識していらっしゃるかどうか分かりませんが、私は日本の風景の美を中島さんの作品に感じます。
アルバム『散りゆく花』収録。

Sunday Night

0226_日曜の夜
Title.
Shenandoah
Artist.
Keith Jarrett
伝下の宝刀でちゃった感がありますが、この作品は絶対に外せないでしょう(笑)。ジャズピアニスト、キース・ジャレットの初のソロピアノによるスタンダード曲集。難病のため活動休止していた彼を支えてくれた彼の妻へ捧げられたというこの作品。自宅録音され、ECMよりリリースされていますが、なんなんだろう、この音の良さはいったい! 澄み切って耳と魂に響くピアノの一音一音のヴァイブレーション。原曲のメロディの美しさを再発見し、それに導かれ、それに敬意と愛と人生を込めたキース・ジャレットがピアノを通して私達にも語りかけてくれるようです。マッサージ屋さん等で流して欲しいアルバムベスト3にも個人的には入りますね(笑)。これを聴くとほんとに身も心も浄化され、ほぐれるように感じます。そしてもうすぐ、きっとあっという間に春が来ます。
アルバム『The Melody at Night, with You』収録。

February 19, 2016 今月の選曲家 畠山美由紀

Feb. 19 – Feb. 25, 2016

Saturday Morning

0219_土曜の朝 &Premium
Title.
Somewhere but here
Artist.
Akira Uchida
もしも寒い2月のある土曜日があなたにとって休日で、もしもその朝に雨か雪が降っていたら―—。まだもう少し寝ていようと思いながらもカーテンだけは開けて、薄暗い空をじっと寝床から眺めてみる。無意識にいろんな事が思い出され、心の底に静かに静かに降りて行くような感覚になる―—。ピアニストであり、ソプラノ・サックス奏者であり、14世紀の古楽器クラヴィーコードの奏者でもある内田輝さんが、湯布院のカフェ・クリークスで、ほぼ即興で作ったというこのソロピアノ・アルバム。知らぬ間に、感覚が研ぎ澄まされると同時に瞑想しているようなリラックス感も与えてくれます。独特のこもった音の感じも落ち着きます。ピアノ調律もご本人だそうです。
アルバム『after the rain at creeks.yufuin silence feat.akira uchida』収録。

Sunday Night

0219_日曜の夜 &Premium
Title.
愛のささやき
Artist.
MICHEL LEGRAND
小説をはじめにに読んだのですが、この曲の存在を長いこと知りませんでした。フランソワーズ・サガン原作「冷たい水の中の小さな太陽」より、映画の方は「冷たい」が消えて日本語タイトルが「水の中の小さな太陽」となっているようです。その映画の中から胸が締め付けられるような名曲「愛のささやき」。後に、作詞がサガンで、作曲がミッシェル・ルグランという名前を見て、「うっそ、びっくり」と鳥肌が立ちました。愛と同時に存在するエゴイズムをテーマにした物語。主人公の男の最後のセリフ、今でも覚えているなぁ。できたら歌詞を読みながら聴いてもらえたらなお、感動的かと。ぜひ安心して聴いてみて下さい。なんせミシェル・ルグランの曲ですから!
アルバム『Le Cinéma de MICHEL LEGRAND』収録。

February 12, 2016 今月の選曲家 畠山美由紀

Feb. 12 – Feb. 18, 2016

Saturday Morning

0212_土曜の朝 &Premium
Title.
Poetry Man
Artist.
Phoebe snow
1974年発表のデビュー・アルバムに収録されシングル・カットされた大ヒットナンバー。初めてチャート・インしたのは1975年の冬、1月だったそうです。(やった!やっぱり冬だったんだ!なぜかそんな気がずっとしてました、本当に!(笑))そして春先までどんどんチャートは上がり、最終的にはトップ5入りに。ブルース、ジャズ、そして私は曲全体のグルーヴにブラジル音楽のエッセンスも感じるのですが、フォークソング的なとも言えるし、何より歌唱法が独特だなぁと思いました。氷上を自由自在にジャンプしてスピンするようなイメージ。いとも簡単に、いとも滑らかに、まるでこの世に重力なんか存在しないみたいに彼女は歌います。そしてやっぱり曲。曲が素晴らしいです。まさにポエトリーマンとしか言えない曲だな、と改めて聞き返して感動いたしました。アレンジも見事に美し。
アルバム『Phoebe Snow』収録。

Sunday Night

0212_日曜の夜 &Premium
Title.
Where or When
Artist.
Peggy Lee
私のアルバム・プロデュースをしてもらったり、ライブで共演したり、もちろん友人でもありますが、ご一緒する度にいつもその才能の素晴らしさをしみじみと感じさせてくれるジェシー・ハリスがカヴァーしていたことで知った曲。彼は、ベニー・グットマンのオーケストラで歌うこのペギー・リーの歌をずっと神秘的ともいえるほどの感慨を持って聴いていたそうです。あのジェシーがそんな風にいうなんて! と思い聴いてみたのが最初です。確かに不思議なムードの曲。発声、発音の隅々まで完コピしたくなる非常に魅力的な歌声。今がいつなのかを見失ってしまうようなうっとりする世界をどうぞ暖かい部屋で聴いてみて下さい。
アルバム『Peggy Lee With The Benny Goodman Orchestra』収録。

February 05, 2016 今月の選曲家 畠山美由紀

Feb. 05 – Feb. 11, 2016

Saturday Morning

0205_土曜の朝 &Premium
Title.
Place to Be
Artist.
Nick Drake
若くして亡くなった魂、ニック・ドレイクの曲達を私は愛している――。と、私は彼の曲を聴く度にそう思うのだ。ニック・ドレイクの曲に「Saturday Sun」というこのページのテーマにぴったりな題名の作品もあり、そちらも大好きなのだけれど、2月の土曜日の朝にはこの、澄み切った絶望と自分の居場所をおくれと静かに願う歌を選んでみました。トラッドソングの美しい形式を守り、歌詞は全行で韻が踏まれているのも印象的。10代だった頃の自分の姿が勝手に浮かんで来たりして……。北国の冬の朝は極寒だったけれど、果てしなく美しかったなぁ、なんてしみじみ思うのです。ぜひ聴いて頂きたい珠玉の名曲です。
アルバム『PINK MOON』収録。

Sunday Night

0205_日曜の夜 &Premium
Title.
Watching the Snow
Artist.
Michael Franks
この曲はマイケル・フランクスがまさに冬をテーマに制作したアルバムのタイトル曲でもあります。もともと彼の大ファンでしたが、この作品は、いわゆるジャケ買いして聴き始めた作品です。エレガントかつソフト&メロウ、そしてとても暖かい気持ちになる暖炉の火のような音づくり。幸せな冬の夜を彩ってくれる、いわゆるAORの大御所といわれている彼の魅力を存分に味わえる作品だと思います。ちなみに彼は大の親日家らしく、このアルバムの中には「クリスマス・イン・キョウト」という曲もあったりします。ジャケ買い大成功の巻!! と当時、思わずガッツポーズしたのでありました(笑)。
アルバム『Watching the Snow』収録。

シンガー・ソング・ライター 畠山美由紀

〈Port of Notes〉〈Double Famous〉のヴォーカリストとして活躍する中、2001年ソロデビュー。近年の活動は2011年、故郷・気仙沼を想い、アルバム『わが美しき故郷よ』を発表し話題に。2012年10月1日(コーヒーの日)、ギタリスト小池龍平とのアルバム『Coffee & Music~Drip for Smile~』を発表。2013年、NHK大河ドラマ『八重の桜』の音楽担当、近年のジェーン・バーキンのワールドツアーに音楽監督/ピアニストで活躍中の中島ノブユキをプロデューサーに迎え、“雨の日のためのアルバム”をコンセプトに、アルバム『rain falls』を発表。2014年に往年の演歌・歌謡曲の名曲集アルバム『歌で逢いましょう』を発表。生きる歓びと悲しみ、目に見えない豊かな世界、人生をより愛おしく生きるための確かな手触りを感じられる、聴く人の心に寄り添う歌を歌い続ける。現在は、FMヨコハマ「Travelin’ Light」(生放送/土11~13時)のDJとしても活動中。
hatakeyamamiyuki.com